その1.自社に適したWeb会議ツールを選ぼう

ワンポイントアドバイスノウハウ
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その3.体験して分かったテレワークのメリットと課題(デメリット)

今回の新型コロナウイルス感染予防対策で一気にテレワークの導入が加速しました。
VTVジャパンでも4月から一部部署でテレワークを開始し、緊急事態宣言解除後も継続しています。
その中で1か月間在宅勤務を体験したマーケティング担当者のレポートをご紹介します。
今回は実際テレワークをやってみて気づいたメリットや課題を、Web会議に関すること以外も含めて考えていきたいと思います。
体験して分かったテレワークのメリットと課題

テレワーク実施に至るまで

今回のコロナ対策で私の所属するマーケティング部は時差出勤の対象となったのですが、私はとある事情でテレワーク勤務をすることになりました。

その事情とは…緊急事態宣言発令中のゴールデンウィーク、自宅の階段で足を踏み外し足指の骨折をしてしまったのです。
4週間安静とのことで、松葉杖生活を余儀なくされました。

できるだけ足を動かさずに安静に過ごすようにとの医師の助言と、他部署でテレワークの実績があったこともあり、会社に相談した結果テレワークを実施することになったのです。

テレワークの話の前に、少し私の通常勤務の様子をご説明します。
マーケテイング部は6名ですが、大阪オフィス勤務は私のみで、ほかは東京オフィスに勤務しています。一人だけ離れているので、情報共有や相談したいときなどは、日ごろからツールを使った遠隔コミュニケ―ションを行っています。
VTVジャパンは勤続年数の長い社員が多いのですが、マーケティング部も私を含めて勤続年数の長いメンバーが多く、東京-大阪と離れてはいますがお互いのことをよく知った「気心がしれた」関係です。
毎朝の朝礼や週1回の部の会議をオンラインで行っていることもあり、東京のメンバーとたまに会っても久しぶりな気がしません。

業務は主に自社Webサイトのコンテンツ作成や集客状況の解析・分析、カタログやチラシなどの販促ツール作成です。制作作業が多く、1日の大半はPCに向かってのデスクワークです。
新しく作ったWebページを公開前にみんなで校正して修正やアイデア出しをしたり、東京のメンバーと共同でチラシを作っています。
また、Webサイトからきた問い合わせを確認して、営業に対応依頼を行うのもルーティンです。この他、社外のコンサルティング会社の方とのWeb解析打ち合わせに、月1回テレビ会議で参加しています。

社内ではこのような業務を行っていますが、果たしてテレワークでも問題なくできるのでしょうか。
さまざまな気持ちが交錯する中、約1か月のテレワークがスタートしました。

テレワークで良かった点と意外とスムーズにできた点

通勤時間がゼロ、満員電車のストレスゼロ

まず、テレワークを始めて一番メリットを感じたことは、当たり前ですが通勤時間がゼロという点です。
家から職場まで移動せずにすぐに仕事が開始できるところは、やはり非常に大きいと思いました。
もちろん帰宅のための移動時間もないので、その分を家事や趣味の時間に充てることができ、プライベートが充実します。ワークライフバランスという点で非常に効率がいいと感じました。
また日頃感じている満員電車での通勤で受ける肉体的・精神的負担からも解放され、想像以上にストレスが軽減されました。

仕事に集中でき作業効率が向上

テレワークに入る前には、自宅でどれくらい仕事に集中することができるかがポイントだと感じていました。そのため、テレワークが決まった時点で、まず自宅内に仕事専用のスペースを確保することにしました。
いざ開始してみると、オフィス勤務と比べても特に困ったことはなく業務が進められました。むしろ、話しかけることや電話を取ることもないので、集中して仕事ができ、作業効率がアップしたように感じます。
家庭環境や居住環境にもよりますが、できるだけ仕事がしやすい専用スペースを作って、業務に集中できる環境を整えることが大切だと感じました。
Webページの作成・管理、カタログやチラシといった販促ツールの作成などの業務はオフィスでに行かないとできないという仕事ではなく、テレワークでも十分に対応できる業務でした。部署によっては、テレワークを行うには難しい場合もあるかもしれませんが、弊社のマーケティング部の仕事は、テレワーク向きの業務が多いと感じました。

さまざまなコミュニケーションツールでスムーズな情報共有

もう一つ心配していたのがコミュニケーションロスです。私は普段オフィスで使っているWeb会議とMicrosoft Teamsを自宅でも使える状態に準備して、テレワークに入りました。
相手が対応できる状態であればその場でコミュニケーションがとれるので、社内にいるのと変わらず情報が取れ、後日同僚にまとめて情報共有の時間をとってもらう必要もなく、迷惑をかけることがなかったのでほっとしました。
社内はもちろん社外のパートナー企業との打ち合わせにもオンライン会議を利用して参加し、出社時と同じように会話することができました。
結局、Web会議、チャット、メール、社内SNS、電話を利用したのですが、慣れてくると用途に合わせてツールを選択して使い分けることができるようになり、効率よく仕事を進めることができたと思います。
現在はさまざまなコミュニケーションツールがあり、いろいろな手段を使うことができますが、その時々に合わせて最適なツールを使うことで、質の高いコミュニケーションが行えるのだと思いました。

一方、テレワークならではの困った点もありました。

テレワークで困った点

ネットワーク環境と周辺設備に左右される

VTVジャパンではセキュリティ対策として、会社支給のPCに自宅のネットワークを接続することを禁止しています。ネットワーク機器を含めすべて会社支給の機材を使って業務を行うことがルールです。スマートフォンのテザリング機能を利用したのですが、急にテレワークを行うことになったためデータ容量に制限があり、データ使用量を気にしながらテレワークを実施することになりました。
テレワークを始めてみると、利用できる残りのデータ量はちょっとしたことでみるみる減っていき、青ざめる思いでした。普段の業務は思いのほかネットワークを使いながら進めていることが多いのだと気づきました。
デスク周りについても、私はオフィスではデスクトップPCにモニターを2面つないで利用していたので、テレワーク用のノートPCの画面のみでは作業がしづらかったです。
特にWebページ作成では複数のアプリケーションを立ち上げて、それぞれの画面を同時に表示し確認を行いながら進めているのですが、PC画面のみでの作業は思いのほか作業しづらく効率が下がりました。
また、オフィスで使用しているデスクや椅子は、ちゃんとデスクワーク用の仕様になっていることに気づきました。自宅のデスクと椅子で長時間仕事をすると、どうしても体に負担がかかり肩こりがひどかったです。
これらは、事前に気づいていれば対策できたことのように思います。細かいことですが、少しの工夫で作業効率が上がり、快適に仕事を進めることができます。

対面コミュニケーションの不足

テレワークに入る前から想像していたことですが、やはり普段同じ空間で仕事をしている同僚とのコミュニケーションが減り、さびしい時がありました。
Web会議やチャットなどでコミュニケーションをとっているのですが、私の場合はどうしても対面でのコミュニケーションがないと孤独感があります。1人で仕事をしていると、一言も言葉を発しない状況がしばしばありました。隣りの同僚との何気ない会話が癒しの一つになっているのだと思います。
またVTVジャパンでは、東京オフィスと大阪オフィスとをテレビ会議で常時接続しており、社員の在籍状態が遠距離でも容易に確認できます。
大阪オフィスに勤務しているので、東京オフィスの社員と連絡を取るときは、まず常時接続の画面で在席状況を確認してから連絡を取るようにしていました。
テレワークでは常時接続での確認ができないので、連絡を取ろうと思う際に、グループウェアでのスケジュール確認を行うなどちょっとした手間が生じました。
些細なことですが、瞬時に見て確認できる環境も大切だと実感しました。

運動不足

多くのテレワーク経験者の方が感想で述べているように、どうしても一日中家の中で仕事をしていると運動不足になりがちです。
休憩時間を作って軽い運動やストレッチをしたり、業務前や終業後の時間を運動に充てるなどして、運動不足を防ぐことを意識する必要がありそうです。
今回は足を怪我したこともあり、ジョギングなどの運動はできず、仕事の合間の休憩時間にストレッチを少し行う程度にとどまりました。

テレワーク中に工夫してよかったこと

今回テレワークを始めてみて、改めて気づいた課題も多々ありました。コストにかかわる機材面はさておき、モチベーション維持や仕事の仕方などで自分なりにいろいろ試してみてよかったことをご紹介します。

オンオフの切り替えを意識する

通勤せずに家にいてそのまま仕事を開始すると、どうしてもオフモードの延長になりかねません。
オフィスへ通勤するときと同じ感覚で身支度を整えて、意識的に気持ちのオンオフの切り替えを心がけました。

業務時間の把握とコントロール

業務時間をコントロールすることも大切だと思いました。テレワークでは自分自身で管理しないと、どうしてもだらだらと仕事をしてしまいがちです。仕事にとりかかる前に今日する仕事のボリュームと所要時間の目安を立て、時間を確認しながら進めることにして、なるべく決まった時間に昼食を取ったり、休憩時間をきちんと設定するなど、常に時間を意識して行動しました。
通常のオフィス勤務よりも、よりシビアに時間のコントロールを意識する必要がありそうです。

業務内容の共有

私の所属しているマーケティング部では日頃からWeb会議を使って毎日朝礼を行い、その日行う業務を発表しています。私以外は全員東京オフィス勤務ですので、Web会議やチャットでの連絡は普段から頻繁に行っており、テレワークでも同じように実施しました。
テレワーク時は、さらにその日の業務の進捗具合などを終業時に日報で報告するようにしました。
よく問題にあがるテレワーカーの勤務状況の把握ですが、上記のようなルールを設定することも効果的なように思います。
私の上司は東京オフィスにいますので、仕事の進捗や相談はいつもリモートでフォローしてもらっていました。
オフィス勤務に比べてテレワークは、いつもより増して離れて仕事をしている感覚が強く、日報での報告は有意義に思います。テレワークでの在宅勤務状況を日報を通じてお互いが把握できるように思います。

テレワークを体験してみて、私の場合は特にメリットを多く感じました。
もちろんオフィスと同じ環境設備ではないため、ちょっとしたことに不便を感じたりすることはありました。オフィスは効率的に仕事ができる場に整えられていることを、今回改めて意識しました。

正しいテレワークの姿は実践から培われる

以上1か月のテレワークを振り返って感じたことをご紹介しましたが、いかがでしたか。
テレワークを実際に体験してみると、さまざまなよいところや改善すべきところがあることを実感しました。
これらが解決されて形式化されていくことで、さらに導入が加速するのではないかと思います。
テレワークの課題やクリアすべき問題は企業や職種などによってさまざまだと思いますが、参考になれば幸いです。

コロナ感染予防対策に限らず、ケガ、妊娠、子育てや介護、そしてコロナ以外の緊急事態時にもテレワークは有効な「働き方」です。
さまざまな「働き方」の選択肢が増えて、働きやすい環境が整う本当の意味での「働き方改革」が進むことを願います。