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テレビ会議のしくみ
テレビ会議のしくみ

第6部 標準化についてその2. H.323とは(IPネットワーク)

第6部 標準化について

その2. H.323とは(IPネットワーク)

*このコンテンツには連載当時(2004年)のままの情報が含まれます。ご注意ください。

曽我蔵くんと市川さん

市川さんを相手に、標準化について質問していた曽我蔵くん。
テレビ会議システムをIPネットワークで使用するときのプロトコルH.323について、さらに詳しく教えてもらうことになった。

現在のネットワークの主流はIP

市川さん
曽我蔵くん
「はい。(ぱらぱらとノートをめくって)
2002年頃にネットワークの主流がISDNからIPへ移行し始めて、現在はその混在期・移行期にあたるということでしたね。いまの日本では、新規導入ユーザーとリプレースユーザーの95%以上がIPネットワークを選択しています」
市川さん
「移行した主な理由は、ブロードバンドが普及してIPの回線品質が格段に向上したことと、IPが低コストかつ月額固定であることが大きい。 ここまでは前回のおさらいだ」
曽我蔵くん
「回線品質が保証されているISDNと違って、IPネットワークはベストエフォート型で、品質は保証されていないんですよね」
市川さん
「言い方を変えると、IPネットワークはQoS(Quality of Service)が保証されない“QoS非保証型”のネットワークなんだ。
QoS保証とは、ネットワーク上である特定の通信のための帯域を予約して一定の通信速度を提供したり、パケット損失を決められたレベル以下に保ったりする技術のことを指す。音声や動画のリアルタイム配信やテレビ電話・テレビ会議など、通信の遅延や停止が許されないサービスにとって重要な技術だ」
曽我蔵くん
「前回も思いましたけど、QoSのような重要な特性が保証されていないネットワーク上で、テレビ会議を行うことが主流になってきているんですね」

H.323とは

市川さん
「そこで重要なのがH.323なんだ。」
H.323がIPネットワークで使われるプロトコルだという説明はしたね。QoS非保証型のIPネットワーク上で音声・映像・データをどのようにリアルタイム通信するかについて、ITU-Tが承認・勧告したものがH.323だ」
曽我蔵くん
「H.323に準拠しているシステムであれば、IPネットワークでテレビ会議を行う上での問題が解決するということですか?」
市川さん
「残念ながら、それで通信品質の問題がすべて解決するわけじゃない。
けれども、H.323が用意しているプロトコルの働きによって、リアルタイム通信として許容できる品質が得られるんだ。
また、H.323はISDN用勧告であるH.320をベースにLAN対応にしたのが特徴で、H.320-H.323ゲートウェイを使用すれば音声・映像を変換符号化せずに相互接続できる。
つまり、H.320やH.323という国際標準規格に準拠しているシステムであれば、ISDN回線で接続したA拠点とIPネットワークで接続したB拠点間で相互接続できるという意味だね」
曽我蔵くん
「以前にも、“ISDNからIPの移行期でもある現在は、ゲートウェイの果たす役割が重要だ”と教えてもらいましたね」
市川さん
「この際だから、H.323の機器構成について説明しておこう。ネットワーク環境によってはHUBやルーターなども必要になるので、テレビ会議システムを導入する際には環境をきちんと確認して欲しい」

H.323の機器構成

  • H.323端末
  • テレビ会議システムのほかに、IP電話(Voice Over IP)やパソコンのH.323アプリケーション(MicrosoftNetMeetingなど)がある。

  • ゲートキーパー(H.323端末制御、管理)
  • ゲートウェイ(H.323-H.320相互接続)
  • MCU(多地点接続装置)
  • HUBやルータなど、IPネットワークを構成する機器
H.323の機器構成
曽我蔵くん
「ところで先ほど、H.323はISDN用勧告のH.320をベースにしているという話が出ていましたよね。 IPネットワークとISDN環境のテレビ会議システムとは、H.320-H.323ゲートウェイを介して接続することは分かりましたが、その他にH.320と関係することはあるんですか?」

曽我蔵くんの質問に、市川さんはそれはねと説明しはじめた。

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