その5.テレビ会議システムの導入形態
*このコンテンツには連載当時(2004年)のままの情報が含まれます。ご注意ください。
セミナーも無事に終了し、曽我蔵くんはあわただしく撤去作業に入った。
黙々と片付けを進めながら、セミナーの最中に見聞きした事柄を思い返していた。一番気になるのは、営業担当の川崎さんがお客様に説明していた、「リース」や「ASP」という耳慣れない言葉だった。
そこへ最後のお客様を見送った川崎さんが戻ってきたので、さっそく曽我蔵くんは疑問をぶつけてみる。




さらに自社導入には、会社で購入する場合とリース会社とリース契約を結ぶ場合がある。リース契約なら、自社内に設置していてもテレビ会議システムそのものはリース会社のものだ。
それぞれの特徴は次のようになるよ
テレビ会議システムの導入形態
自社導入型 | 購入 |
|
---|---|---|
リース |
|
|
長期レンタル型 |
・テレビ会議システムを自社で持たずにレンタルする。 ・機器・システムはレンタル会社が所有する。 ・機器・システムを利用しなくなった場合は解約できる |



多地点接続を頻繁に行う企業では、コストや運用面を考えてMCUを自社内に用意した方がいいけれど、多地点接続をめったに行わない企業なら必要なときだけサービスを利用できる方が便利だからね


前者が自社導入型、後者がASP利用型だ。
ASPはアプリケーションサービスプロバイダの略で、サービス事業者が提供するサービスのことだよ
ソフトウェアの利用方法
自社導入型 |
・自社内にサーバーを構築する。 |
---|---|
ASP利用型 |
・アプリケーションソフトウェアを保有しネットワークを通じて提供する事業者のサービスを利用する(サーバーやMCUはサービス事業者が所有する)。 ・主にウェブブラウザを利用してアクセスする。 ・サービス事業者側から割り当てられるIDなどを利用してサービスにログインする。 ・サービス利用料は月額が主。 ・利用時間や利用人数に応じたランニングコストがかかる。 |

導入形態のまとめ
ハードウェア |
・専用機タイプでもソフトウェアベースでも自社内に設置される。 ・所有者は自社、リース会社、レンタル会社のいずれか。 ・MCUの接続サービスを利用することもある。 |
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ソフトウェア |
・自社内にサーバーを構築する場合とASPサービスを利用する場合がある ・前者の場合の所有者は自社、リース会社、レンタル会社のいずれか。 ・後者の場合の所有者はASP事業者。 |
現在ではテレビ会議接続サービスとしてクラウドサービスを選択する方が増えています(2019年8月追記)

曽我蔵くんは、川崎さんの話をまとめながらノートにせっせとメモした。さらに質問しようとしたところへ、市川さんの声がかかる。


曽我蔵くんは慌てて駆けよろうとし、先ほど自分が広げた空のダンボール箱につまづいて転んだ。