
オンライン会議で増えている「音声トラブル」
オンライン会議をおこなっていると「音が悪い」「聞こえづらい」「途切れる」といった音声トラブルが発生することがあります。
今回は、特にお問い合わせの多い代表的な4つの音声トラブルについて、原因と対処方法をわかりやすく紹介します。

【よくある音トラブルとその原因①】音が回る、音が返ってくる
オンライン会議でよく発生する代表的な音声トラブルが「音が回る、音が返ってくる」です。会議中に“キーン”という高音が鳴ったり(ハウリング)、話者の声が反響して聞こえる(エコー)場合は、この現象が起きている可能性が高いです。
ハウリングの原因は、マイクがスピーカーから出た音を再び拾ってしまい、その音が何度も循環して増幅されることにあります。 このループが起きると特定の音だけが強く強調され、鋭い「キーン」という雑音として聞こえるようになります。
エコーの原因は、スピーカーから出た相手の音声をマイクが拾ってしまい、その音がもう一度相手に返ってしまうことにあります。 このため、話した声が遅れて聞こえる「二重音声」の状態が発生します。
この現象は、特に複数拠点・複数デバイスが参加する会議や、スピーカーとマイクの距離が近い環境で発生しやすくなります。
【解決方法】問題の拠点を特定し、音のループを断ち切る
音が回る場合は、まずどの拠点やどのデバイスが原因となっているかを特定することが重要です。
最初に、参加拠点ごとにミュートを順番に切り替え、ハウリングが止まるポイントを確認します。原因が特定できたら、以下の対策が有効です。
- スピーカーとマイクの距離を離す、向きを変える
- 音量を適正に調整する
- スピーカーやマイクの配置を見直し、反響しにくい位置に変更する
これらの対応を行うことで、ハウリングやエコーの発生を大幅に抑えることができます。
【よくある音トラブルとその原因②】音が聞こえづらい
会議室の広さに適したマイクを設置しているのに、オンライン会議で「声が小さい」「遠く感じる」といった聞き取りにくさが生じることがあります。これは、参加人数が増えるほど周囲の雑音も多く拾ってしまうため、必要な声が埋もれてしまうことや、人が増えることによって人が壁になり集音しづらくなることが主な理由です。マイクの集音範囲だけで設置するマイクの台数を判断してしまうと、実際に集音に必要なマイク数が不足し、音声が弱く感じられるケースもあります。
【解決方法】適切なマイク配置と機材選定で聞こえ方を改善
音が聞こえづらい場合は、会議環境に合わせてマイクの配置や種類を見直すことで改善が期待できます。
- マイクの台数を適正に増やす
参加人数や席配置に合わせて、必要な数のマイクを設置することで、各発言者の声をしっかり拾えるようになります。 - より性能の高いマイクに入れ替える
指向性やノイズ耐性の高いマイクを使用することで、声の明瞭度が大きく向上します。 - 発言者とマイクの距離を近づける・配置を最適化する
マイクからの距離が遠いほど音は弱くなるため、配置の工夫で聞こえ方を改善できます。
【よくある音トラブルとその原因③】音が途切れたり、聞き取りづらい
複数名が同時に話す「クロストーク」が起きると、エコーキャンセラーが過剰に働き、必要な音声まで抑えてしまうため、声が途切れたり聞こえづらくなることがあります。
また、話者の声が小さい場合や、マイクとの距離が離れすぎていると、ノイズキャンセラーが声をノイズと判断してカットしてしまうこともあります。
これらが重なることで、音が途切れたり聞き取りにくくなるトラブルが発生します。
【解決方法】発言は一人ずつ行い、音声処理を安定させる
こうした音の途切れは、会議の進行方法を少し工夫することで改善できます。
- 発言は一人ずつ行うようにする
同時発話を防ぐことで、音声処理が安定し、声が欠けにくくなります。 - 話者の声をしっかりマイクに届ける
発言時にマイクへ向けてはっきりと大きめの声で話すこと、マイクを発言者の近くに設置することが効果的です。 - 周囲の雑音を可能な限り減らす
不要な音が減るほど、マイクは主音声を正確に拾いやすくなります。
【よくある音トラブルとその原因④】音が悪い(こもる・響く・反響する)
オンライン会議で「声がこもって聞こえる」「響いて会話に集中できない」といった音質の低下が起こる場合、会議室の環境そのものが影響しているケースが多く見られます。特に、壁や天井、パーティションなどに金属・ガラス・コンクリートといった硬い素材が多い空間では、音が跳ね返りやすく、反響が強くなってしまいます。その結果、声が聞きづらくなったり、不自然なこもりが生じたりします。
【解決方法】環境改善とマイクの最適化で音質を向上
音質の問題は、会議室の環境調整やマイクの工夫で大きく改善することができます。
- 吸音材・吸音パネルを設置する
吸音パネルなどを壁に設置することで音の反射を抑え、声がクリアに聞こえるようになります。簡易設置が可能で比較的低コストで導入が可能です。 - 会議室の素材(床・壁・天井)を見直す
根本から改善を目指す場合は、内装の一部を変更して反響を抑える方法もありますが、内装工事などが必須となりコストもかかります。 - グースネックマイクやシーリングマイクを導入する
集音範囲を適切にコントロールできるため、必要な声をしっかり拾い、雑音や反響の影響を軽減できます。

まとめ
オンライン会議で発生する音のトラブルは、機材の設定や話し方、マイクの配置、さらには会議室の環境など、さまざまな要因が重なって起こります。今回ご紹介した内容を参考に、音声環境を少し見直すだけでも、会議の聞こえ方は大きく改善できます。
また、VTVジャパンの保守サポートにご加入いただいている場合、サポートデスクのスタッフが実際の会議映像を確認し、音の悪さの原因調査から改善アドバイスまで個別にご案内できます。詳しくはこちらをご覧ください。
快適でスムーズなオンライン会議運用に、ぜひお役立てください。






