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快適なテレビ会議環境を作ろう
第3回 関係者以外に会議予約内容を知られたくない

第3回 関係者以外に会議予約内容を知られたくない

追い詰められる三橋さん

情報システム部に所属する三橋さんは悩んでいた。
今、彼が勤務する会社では傘下のグループ企業の組織再編が行われ、コミュニケーションロスをなくすためにメールやグループウェアを一つに統合しなければならず、どれを選択するかでてんやわんやである。
三橋さんが担当しているテレビ会議関連についても、メーカーや製品が混在していたり会議の予約ルールが会社毎に違ったりで、各社担当との打ち合わせにはかなり時間を要した。
なんとか一つのサービスに統合する案を作成した三橋さんだったが、最後にあるグループ企業の担当から絶対ゆずれないという条件が出された。

グループ全体で利用しているオンライン会議で、他のグループ会社に予約内容を見せない方法とは

「うちの会社のプロジェクト会議の予約が入っていることを、他社からはわからないようにして欲しい」

リクエストを出した会社は、業務上、取引先から秘密保持契約を結ばされることが多い。
取引先の業務内容でテレビ会議を行っていることが関係者以外にわかる環境は、取引先との契約に違反するのだという。

この会社が持つ知的財産は他グループでの活用が期待されていて、今後、グループ他社とのテレビ会議を行う頻度が高くなる見込みで、今回のテレビ会議ネットワークから外すわけにはいかない。
だからといって、取引先との会議のためだけに別のネットワークを用意する予算は残っていないし、何より先日決まったばかりの社内ルールから外れ、許可が出るとは到底思えないのだ。
「せっかくまとまりかけていたのに、最初からやり直しかな・・・」
三橋さんは頭を抱えつつも、今回のテレビ会議ネットワークの統合を任せている会社に、ダメ元で相談してみることにした。

「あ、見えなくする方法はありますよ。先日、別のプロジェクトでやったのでできると思います」

担当の林田くんはあっさりと笑顔で答えた。

「今回導入いただく予約管理システムのオプションとして加えましょう。少々追加料金はいただきますが、今までの方向性を変えずに追加できるはずです」

「え、どうやってやるの? 使い方が複雑になるのは困るんだけど」
半信半疑の三橋さんに林田くんは手を振った。

「いえいえ、予約を登録する画面に会議グループを選択する項目を追加するだけですよ。
会議グループを作成する画面を管理画面に追加しますが、操作自体はそれほど複雑にはならないと思います。
ええと、単純に書くとこんな感じです」

林田さんと三橋さん

三橋さんは腕を組んで説明された内容を頭の中で組み立ててみる。
「うーん、できそう・・・かな?」
「おそらく実現可能だと思います。
ただ、ユーザーごとに参照できなくなるデータが出てくるので、先日決めた仕様から利用できなくなる機能が出たり、運用する上で不具合が起こる可能性があります。
例えば、登録拠点の利用状況だけは全社で見れるようにしておかなければ、予約がかぶった時に時間調整や交渉もできませんし。
一度社に戻って開発チームと確認して、新しいご提案書と見積もりをお持ちします」

「あんまり変更があると、またまとめるのが大変なんだ。お手柔らかに頼むよ」
「勿論です。せっかくここまでお時間いただいて、御社のご希望に沿った構成が作れたのですから、必ず実現しましょう!」
不安そうな三橋さんに、林田くんはそう声をかけて帰っていった。

後日、会議をグループ分けする機能を追加することでできなくなる機能をまとめ、本当に必要な機能を洗い出して優先順位付けを実施した。新しい提案内容はすべての関係グループ企業の許可を取ることができ、条件を出した企業の担当者の了解も得ることができた。
会議のグルーブ分け機能は他の担当者にも好評で、リプレイス後の会議予約数は順調に増えている。

「あの時は不安だったけど、なんでも聞いてみるものだなと思ったよ」
統合後の稼働状況についてヒアリングにきた林田くんに、三橋さんはボソッとつぶやいた後に笑顔を浮かべた。