株式会社クラボウインターナショナル様
国内外の拠点からテレビ会議に参加可能な環境を実現
クラウド型のテレビ会議システムLifesize Cloudを選定

クラウドサービス導入の経緯や選定のポイントについて、株式会社クラボウインターナショナルの小林氏に伺いました。
企画業務部 システム管理課 小林 圭介 氏
1.概要
背景と課題
既存のテレビ会議システムの保守部材調達が困難になったため、リプレイスを検討することになった
- テレビ会議未導入拠点からも設置要望が挙がっていたが、全拠点への専用機導入はコスト面で困難だった。
- クラウドを介して利用できるテレビ会議環境を構築したかった。
導入効果
全拠点テレビ会議ができる環境を実現
- テレビ会議が未導入だった海外拠点とのコミュニケーションが可能になった。
- マルチデバイス接続に対応したことで、PCやタブレットからも会議に参加できるようになった。
テレビ会議を利用したサポート業務の実施など、用途の幅が広がった
クラウド化したことで、システムの運用・保守をアウトソースできるようになり、管理負荷が軽減した
ソリューション
導入システム
- Lifesize Cloud(クラウドサービス)
- Lifesize Icon400 / 2台(本社×1、東京×1)

- 多地点接続など必要な機能がサービスとして利用できるので、自社環境への専用サーバの構築・設置が不要。
- マルチデバイス接続に対応しているため、テレビ会議専用機を全拠点に導入しなくても、遠隔コミュニケーションが可能。
2.詳細
導入の背景:より綿密なコミュニケーション実現を目的にテレビ会議システムを導入
クラボウインターナショナル様の国内拠点は大阪本社、東京支社、福山事業所、村上事業所、竹田事業所の5カ所で、海外拠点は上海技術センター(中華人民共和国)、ホーチミン駐在員事務所(ベトナム)、チッタゴン駐在員事務所(バングラデシュ)、ジャカルタ駐在員事務所(インドネシア)の4カ所と、国内外に合計9カ所の拠点を有しています。
同社は2009年に、テレビ会議システムの導入を決めました。きっかけとなったのは、“これまで以上に密なコミュニケーションが必要”という経営層の声でした。距離を気にせずにコミュニケーションするにはテレビ会議システムが必要という判断から、大阪本社と東京支社をつなぎ、会議やミーティングなどに使用していました。
導入前は、同社においてテレビ会議システムがどの程度の頻度で、どういった用途で利用されるのかということは、誰にもわかりませんでした。ところが導入後、多くの社員がテレビ会議システムの利便性に気付き、現在では会議やミーティング、部署間での連絡などにも使われるようになったそうです。通信も安定しており、特に品質面でのトラブルもありませんでした。しかし、導入から5年を超えると保守部品の調達が難しくなり、リプレイスを検討することになりました。
導入の課題:利便性を高めつつ、コストを抑えるため
クラウド型テレビ会議サービスを検討本社移転を機にテレビ会議環境を再構築
「リプレイスを機に、他拠点からもテレビ会議システムを利用したいという要望がありました。しかし、全拠点に専用端末を導入するとなると、コストが嵩みます。もしICTインフラのようにクラウドを介したサービスを利用するのであれば、サーバなどのハードウェア資産が必要ありません。そこで、クラウドを介したテレビ会議システムがないのか調査しました」と企画業務部 システム管理課の小林圭介氏は説明します。
しかし、いざ探してみると、クラウドを使ったテレビ会議システムはなかなか見つかりません。そんな中、VTVジャパンからテレビ会議システムのセミナー案内が届きました。
VTVジャパンは、テレビ会議システム専門のマルチベンダーです。テレビ会議システムの認知を広げるため、デモやセミナーなどを定期的に開催しており、各メーカーのテレビ会議システムの特長を知ることができたり、実際に体験することができます。
セミナーで情報収集するとともに、VTVジャパンの担当者にクラウドのテレビ会議システムについて相談を持ちかけたところ、Lifesize Cloud(ライフサイズクラウド)を勧められたそうです。
導入の決め手:入念なテスト評価で導入前の懸念事項を解消
Lifesize Cloudは、テレビ会議システムだけでなく、パソコンやタブレット端末などからも利用することができる遠隔会議サービスです。必要な機能はサービスとして利用できるので、専用サーバを構築・設置する必要がありません。まさに、クラボウインターナショナル様が求めていたクラウド型テレビ会議システムそのものでした。
しかし、クラウドサービスの仕組みとしては十分満足するものでも、品質面については評価・検証が必要でした。そこで、VTVジャパンの協力のもと何度もテスト評価を重ねました。その結果、品質面の懸念を払拭でき、Lifesize Cloudを導入することになりました。
導入の効果:利用の幅を広げるテレビ会議システム
現在、同社ではLifesize Cloudを導入したことによって、大阪-東京間のコミュニケーションに加え、海外拠点とのコミュニケーションが実現しました。拠点によっては通信が安定しないケースもありますが、インフラの整備と共に、今後改善されていく見通しです。
Lifesize Cloudによるテレビ会議ソリューションは、同社の社員にとって新しいコミュニケーションインフラとなります。「現在は、認知を進めている段階ですが、今後はいろいろと活用できるはず」と、小林氏。社員がテレビ会議システムの便利さを体験すれば、急速に利用が進み、これまで電話やメールで行っていた業務をテレビ会議で行うようになれば、効率アップが期待できます。
サポートデスク業務でも、テレビ会議システムを利用し始めているそうです。テレビ会議であれば、話をしながら相手の画面を見ることができるので、的確に指示が出せます。実際、海外拠点での障害時でも、テレビ会議システムを使ってサポートすることができ、同社内での利用の幅が広がっています。この特長を生かし、今後は生産物の品質チェックなどにも使えないかと検討を進めているとのこと。品質チェックの業務効率が向上すれば、生産のスピードアップも見込めます。
また、導入当初の仕様ではカバーしきれていなかったニーズもありましたが、バージョンアップで機能追加されるため、現在では何の不満もなく利用できているそうです。これも、クラウドの利点の1つです。システムの運用・保守をアウトソースができているため、管理負荷も軽減されました。他のクラウドサービスとの連携なども進めば、さらに使い勝手が良くなることが期待できます。
クラボウインターナショナル様は、Lifesize Cloudによるクラウド型のテレビ会議システムに非常に満足しています。今後、さらに活用の幅を広げるため、さまざまな領域での利用を検討しているとのこと。会議だけでなく、映像や情報共有のインフラとして活用できることが期待されています。

お客様プロフィール
株式会社クラボウインターナショナル

クラボウインターナショナル様は、大手繊維・化成品メーカーであるクラボウのグループ会社です。
メーカー系商社ならではの強みを活かして、大手量販店などが扱うリテール向けのカジュアルファッション分野や、アパレル向けのハイグレードファッション、医療機関や工場などで使われるユニフォームに加え、原糸から織物、ニットおよびデニムなど、クラボウの開発技術との連携強化によって実現したさまざまな素材も取り扱っています。
- 本社:
- 大阪市中央区久太郎町二丁目4番31号 クラボウ本社ビル
- 設立:
- 1973年8月
- 事業内容:
- 各種繊維工業品の製造・加工ならびに販売
- URL:
- https://www.kurabo-inter.co.jp/
本件で最も印象に残っていることは、通信品質の確認のためにバングラデシュと大阪本社を接続した際のことです。それまでのお客様は、海外拠点とはメールや電話のみでのやり取りであったため、自分がどの様な人と普段やり取りをしているのかということを知る術がありませんでした。
しかし通信テストを行った際に、
『あ、こんな人が普段対応をしてくれているんだ!』
『はじめまして!いつもありがとうございます!』
という様なやり取りが自然に繰り広げられ、そのままお客様同士が事務連絡を始められた事が印象的でした。
遠隔コミュニケーションには、単に交通費の削減だけではない様々な可能性があるのだと改めて実感すると共に、そうした可能性をいかに追求し、お客様にご納得を頂けるご提案をできるかが自分には求められていると強く感じました。
お客様の求めておられる物の変化、メーカーから提唱されるソリューションの変化、それらを敏感に察知し上手く結びつけサポートできるよう、更なる自己研鑽をして参りたいと思います。