会議室でのZoom運用のベストプラクティスを徹底解説

個人向けのユーザーライセンスを利用して会議室でZoomの会議を行う際、意図せず規約違反となってしまう可能性があります。
本記事は、ライセンス規約に抵触してしまうシチュエーションや、Zoomが推奨する会議室専用デバイスZoom Roomsを活用して安全・快適にオンライン会議を開催する方法をわかりやすく解説します。
Zoomライセンスの基本と誤解されやすい点
Zoomが提供するライセンスには、個人に紐づく「Zoomユーザーライセンス」と会議室向けデバイスZoom Roomsに紐づく「Zoom Roomsライセンス」があります。
ユーザーライセンスは、PCやタブレットにインストールした Zoom Meetingsアプリで使用します。Zoom Roomsライセンスは、Zoom Roomsアプリを搭載するZoom Roomsに割り当てられます。
ユーザーライセンスはユーザー1人に1ライセンス、Zoom RoomsライセンスはZoom Roomsと呼ばれる会議室専用機1台に1ライセンス付与されます。
Zoom Roomsにユーザーライセンスを割り当てて利用することはできません。Zoom Roomsライセンスは有料ライセンスのみで1台につき1ライセンス必要です。
Zoomユーザーライセンス | Zoom Roomsライセンス | ||
---|---|---|---|
無料 (ベーシック) |
有料 (プロ・ビジネス・エンタープライズ) |
ライセンス費 | 有料 |
個人(ユーザー) | ライセンス付与対象 | 会議室(デバイス) | |
Zoom Meetings | 対象アプリ | Zoom Rooms | |
PC、モバイル端末など | 対象デバイス | Zoom Rooms | |
社内の自席、自宅などどこでも | 利用場所 | 会議室や共有スペースに常設 | |
個人での参加むけ | 用途 | 会議室などで複数名での参加向け |
Zoomライセンス、使い方を間違えると規約違反になる2つのパターン
会議室にPCを持ち込みZoomで会議を開催する企業が増えています。使い方によっては規約違反になってしまうことがあります。まずは会議室でPCからZoom会議に参加するときに起こりがちなNGパターンをご紹介します。

- 1つのアカウントを共有(使いまわし)する
- Zoomのユーザーライセンスは、「指名ユーザー(Named User)」制度です。これは1つのアカウント(ライセンス)を、特定の1人のみが利用する契約形態です。Zoomの利用規約では、アカウントの認証情報(IDやパスワード)を他者と共有することを明確に禁止しています。例えば主催者であるAさんのアカウントを、Aさんが不在のためBさんやCさんが利用する行為は、「アカウントの共有」に該当するので、規約違反となります。
- 会議室専用のユーザーライセンスを取得して不特定多数のユーザーが利用する
- 会議室常設の共用PCに会議室専用に取得したユーザーライセンスを付与して社内ユーザーが自由に利用する運用もアカウント共有にあたります。ユーザーライセンスは人(個人)に紐づくため、人ではなく場所に紐づけて不特定多数の人が利用するのはライセンスの使いまわしに該当し、規約違反となります。
備考

Zoomの参加者数は「接続数」で決まります。アカウントを保有しているユーザーが自分のアカウントでPCからZoomの会議に接続する際に、同室にアカウントを持たないユーザーが同席したとしても参加者数は1(1接続=1ユーザー)として扱われるためライセンス規約上は問題ありません。
Zoomが推奨する会議室専用機「Zoom Rooms」とは?
Zoomは会議室から複数名でZoomの会議に参加する場合「Zoom Rooms」の利用を推奨しています。Zoom Roomsは会議室や共有スペース専用のオンライン会議専用機です。Zoom社の認定メーカーが提供するカメラやマイク、スピーカー、操作用パネルとZoom Roomsアプリを搭載した専用PCや一体型デバイスなどで構成され、Zoom Rooms専用ライセンスを付与して使用します。
Zoom Roomsライセンスはデバイスに紐づけられるためライセンスの使いまわしには該当しないので、誰でも会議室でZoom会議を開催することができます。

Zoom Roomsは会議室でのグループ会議に最適化されたシステムです。機器は会議室に常設され、PC接続の際に行っていた拡張デバイスの接続やログイン、デバイス設定などの作業も不要で、簡単にZoomの会議に参加することができます。また、PC用のZoom Meetingsアプリが個人向けに設計されているのに対し、Zoom Roomsに搭載されるZoom Roomsアプリは会議室でのグループ会議に最適化されています。ワイヤレス画面共有、マルチディスプレイ表示、デジタルホワイトボード、会議室の予約・管理機能、デジタルサイネージ利用など、会議室での生産性を高めるさまざまな機能を備えています。
会議室からZoomに参加できるソリューション「Zoom Rooms」のメリットやZoomミーティングとの違い、利用に適したシチュエーションについて解説します。
Zoom Roomsを利用した会議室構成例のご紹介
Zoom Roomsはさまざまな規模のスペースや用途に合った機器構成が可能です。普段の会議や打ち合わせのほか、役員会議室向けやセミナーや研修などのイベント会場向けの機器構成など多数の構成例をご紹介しています。
Zoomの会議のためのソリューション提案も行っておりますのでお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Zoom Roomsを活用したZoomの会議運用に関するよくある質問をまとめました。下記以外にもご質問がございましたらお気軽にお問い合わせください。
- Zoom Rooms ライセンスはユーザーライセンスで代替できますか?
- Zoom Roomsにユーザーライセンスを付与して利用することはできません。Zoom Roomsには専用のZoom Roomsライセンスが1台に1ライセンス必要です。
- 会議室に常設するPCに会議室用のユーザーライセンスを付与して使用できますか?
- ユーザーライセンスは個人に紐づくライセンスのため、会議室に紐づけて共用することは規約違反となります。会議室にZoomの会議を行うためにシステムを常設する方法としてZoomは会議室専用機のZoom Roomsの導入を推奨しています。
- Zoom Roomsでスケジュールした会議はOutlookやGoogleカレンダーと連携できますか?
- 連携できます。Zoom Roomsでカレンダー統合を設定することで、ワンクリックでZoom会議に参加可能になります。
- 会議室において、Zoom Roomsでの運用とPCでの運用のメリット・デメリットを教えてください。
-
Zoom Roomsは、会議室に常設され事前準備が不要で、会議室での会議利用に最適な機能が多数搭載されています。Zoom Roomsライセンスは機器に紐付くので誰でも会議を開催できるのがメリットです。一方で、PC運用と比較すると、機器などの初期導入コストがかかる点がデメリットです。
PC運用は、初期導入コストを抑え手軽に導入できるのが魅力です。しかし、会議のたびにセッティングが必要で、配線や設定に関するトラブルが起こりやすいという難点があります。また、搭載されている機能は個人利用を想定したものが多いため、会議室での利用には向かない場合が多くみられます。
音声や映像の品質については、どちらの運用形態においても会議室の環境に合わせて最適な機器構成が可能です。
Zoom Roomsに特化した機能については下記コンテンツをご参照ください。 - Zoom RoomsからTeamsやGoogle Meetの会議には参加できますか?
- 参加できます。Teams/Google Meet会議の会議IDとパスコードをZoom Roomsに入力し、Zoom Roomsの機材を使用してゲストとしてTeams会議に参加することができます。また、Zoom RoomsをPCの映像・音声外部デバイスとして利用することもできるので、サードパーティのWeb会議にもZoom Roomsの機材を利用して会議参加が可能です。
まとめ
会議室でのZoom運用で気をつけたいのが、個人用Zoomアカウントの使い回しです。Zoomの利用規約に抵触してしまうと、アカウント停止やサポート対象外となってしまう場合もあります。誰もが安心して会議室でZoomの会議を開催・参加できる環境を整えるなら、個人ライセンスではなく「1ルーム1ライセンス」で運用できるZoom Roomsを採用し、事前準備の手間を省き、簡単に会議を開始できる環境を構築することが規約面・運用面ともにおすすめです。本記事を参考に、安全かつ快適なオンライン会議を実現しましょう。