Teamsの運用で気を付けたいライセンスの考え方

現在、ビジネス向けオンライン会議では、Microsoft TeamsとZoom、Google Meetといったツールがよく利用されています。
なかでもMicrosoft Teamsは「Microsoft 365(M365)に含まれていた」ということから利用率が高い一方、2024年4月からM365と切り離して販売されるようになり、
オンライン会議で利用するにはどのライセンスを買えばよいのか分かりにくい状況となっています。
このページでは、
- 現在入手できる Teams ライセンスの全体像
- 専用機ライセンス:Teams Rooms BasicとPro の違い
- よくあるライセンス違反のシナリオと回避策
を整理し、自社にあったライセンスの選択方法をご紹介します。
1. Microsoft Teamsが利用できるユーザーライセンスプランについて
Microsoft Teamsを利用するために必要なライセンスは、個人に紐づく「ユーザーライセンス」と会議室向けデバイスに紐づく「Microsoft Teams Roomsライセンス」があります。 Teamsのライセンスにはさまざまなプランがあり、2025年7月現在、主に以下が提供されています。
区分 | 主なライセンス/SKU (2025年7月時点) | 想定ユーザー | 購入ポイント |
---|---|---|---|
法人ユーザー (PC/モバイル) 向け |
・Microsoft Teams Essentials / Enterprise ・Microsoft 365 Business Basic/Standard ・Microsoft 365 E1/E3/E5 (既存)* |
ユーザー1人につき1ライセンス | 2024/4 以降、新規 Enterprise 顧客は Microsoft 365(E3,E5)にはTeamsは付帯しない。 |
デバイス (会議室) 向け | ・Teams Rooms Basic ・Teams Rooms Pro |
会議室端末1台につき1ライセンス | Basicは無償(25台まで) だが機能限定 |
機能拡張アドオン | Microsoft Teams Premium / Teams電話 / 電話会議 / Microsoft 365 Copilot など | 既存 Teams ユーザーに追加 | 必要に応じて組み合わせ |
※2025年7月時点での情報です。最新情報はMicrosoft社のホームページをご確認ください。 ※既存の E1/E3/E5 with Teams は新規購入はできません。契約中テナントのみ更新可能です。
新規でTeamsライセンスを購入する場合は、Microsoft Teams Essentials(一般法人向け)やMicrosoft Teams Enterprise(大企業向け)を選択します。
これらはPC/モバイルから参加するユーザー向けライセンスで、オンライン会議機能の他にチャットやメッセージング、ファイル共有なども行える統合型のコラボレーションプラットフォームです。
この他に、Teamsの会議に参加する専用デバイスMicrosoft Teams Rooms用のライセンス、「Microsoft Teams Roomsライセンス(BasicとPro)」があります。
2. デバイスに紐づくライセンス「Microsoft Teams Rooms」
Microsoft Teams Roomsは会議室から複数人でTeamsの会議に参加するのに便利な専用デバイスです。
Microsoft Teams roomsを利用するには、Microsoft Teams Roomsライセンスがデバイス1台につき1つ必要となります。
Microsoft Teams Roomsライセンスには、無料で利用できる「Basic」と有償の「Pro」の2種類があります。
「Pro」ライセンスにはMicrosoft Teams Rooms Pro Managementという管理ツールが提供されており、
企業内に設置されたTeams Roomsデバイスを一括して管理・確認することができます。
Teams RoomsのBasicライセンスと Proライセンスの主な機能の違い
主な機能 | Basic(無償) | Pro(有償) |
---|---|---|
ワンタッチ参加/会議IDでの参加 | 〇 | 〇 |
ZoomやWebexの会議への参加 | 〇 | 〇 |
独自の多彩な画面レイアウト Front Row / Together モード / Large Gallery |
― | 〇 |
マルチカメラサポート | ― | 〇 |
デュアル画面/パノラマルームビュー | ― | 〇 |
AIノイズ抑制 | ― | 〇 |
Intelligent Speaker | ― | 〇 |
リモートデバイス管理 & 詳細分析 | ― | 〇 |
最大ライセンス数 | 25台 | 無制限 |
ルームチェックイン | ― | 〇 |
Microsoftでは「中規模以上の会議室や複数拠点を管理する用途がある場合、Proを推奨」としていますが、弊社では以下の理由から企業でのご利用には「Pro」ライセンスを推奨しています。
Teams Rooms Proライセンスでの運用がおすすめな理由

特に遠隔拠点の会議室端末の障害対応や操作補助、設定変更などを、運用管理者が自席からサポートできる点は、実際に運用を開始してからその便利さを実感するご担当者も多いようです。
3. よくあるライセンス違反と回避策
ユーザー毎に付与されるTeamsのユーザー(PC/モバイル)向けライセンスを、登録者以外が利用することは「なりすまし利用」として規約違反に該当します。 以下のようなケースも「なりすまし利用」とみなされる可能性がありますので注意が必要です。

なりすまし利用にならないためには?
この場合、AさんとBさんは自席からそれぞれ自分のアカウントで参加するか、会議室のTeams Roomsデバイスを利用して参加するのが規約を守った利用方法になります。

ユーザーがそれぞれのPCからTeams会議に参加するよりも、会議室から複数人で参加することが多い場合は、Teams Roomsデバイスを設置してTeams Roomsライセンスで運用することをおすすめします。
Teams Roomsライセンスはユーザーではなくデバイス(会議室)に紐づくため、参加者に関係なく利用できます。
※ユーザー向けライセンスをTeams Roomsデバイスに付与することはできません。
Teams会議への参加でMicrosoftの規約違反に問われる例
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---|---|
Teams Roomsデバイスを利用して複数人で会議参加 | 他者のユーザーライセンスを借用・共有 |
Aさんが会議を予約 Bさんも自分のライセンスで参加 |
退職者や長期不在者のライセンスを 再割り当てをせずに他者がそのまま流用 |
拠点毎にTeams Roomsデバイスを設置し、ゲスト参加で運用 | 1つのライセンスを複数人の業務用PCで使いまわし |
4. まとめ:適切なライセンス設計で効率のよいTeams会議の運用を
Teamsのユーザーライセンスと会議室向けライセンスには明確な違いがあります。権利主体が異なるため「なりすまし利用」は規約違反ととられるので注意が必要です。
一般的には全社員にユーザーライセンスを付与して運用することが望ましいですが、会議室主体で利用することが多い場合などは、Teams Roomsデバイスと組み合わせてライセンス設計を行うことで、
ライセンス違反のリスクを減らしつつコストや運用負荷を下げられます。
設計の見直す場合は以下から着手されることをおすすめします。
- 既存ライセンスの棚卸と利用実態の洗い出し
- Teams Roomsデバイス台数・機能要件に応じたTeams Roomsライセンスの選定(BasicまたはPro)
Teamsライセンスの見直しや設計、Teams Roomsの導入検討についてはお気軽にご相談ください。
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