Google Meet Hardware・音響映像設備導入事例:山﨑建設株式会社様
2025年10月9日2025年10月9日
社屋移転を機に旧会議室の問題を一新!
ユーザー第一の運用設計で“簡単・ケーブルレス”なオンライン会議環境を構築
山﨑建設株式会社様 新社屋におけるオンライン会議室構築は、山﨑建設株式会社様・丸紅I-DIGIOグループ様、VTVジャパン3社連携のもと実施されました。
今回のオンライン会議室構築に至った経緯やソリューション選定について、山﨑建設株式会社 廣瀬浩二氏、田村貞氏、丸紅I-DIGIOグループ 川山昌也氏に伺いました。
山﨑建設株式会社
管理本部 人事総務部 情報システム課 課長 田村貞 氏
管理本部 人事総務部長 廣瀬浩二 氏
丸紅I-DIGIOグループ
IT基盤サービスセグメント 基盤第二事業本部 エンタープライズ営業第一部
広域営業課 課長 川山昌也 氏
VTVジャパン株式会社
営業部 森可奈子(担当営業)
1.概要
背景と課題
オンライン会議前後の工程が多く、利用環境が煩雑だった
- 大人数での会議に対応するために利用する機材が多く、ケーブルが露出して煩雑な印象だった
- 会議室が多目的利用のため、オンライン会議のたびにレイアウトの変更・機材準備・撤収作業が必要だった
- 会議用PCを常設し、ユーザーアカウントを切り替えで運用していたが、ログアウト忘れなどで混乱が生じていた
- オンライン会議に不慣れな社員からのサポート依頼が多く、IT担当者の業務負荷が大きかった
導入効果
レイアウト変更の影響を受けない「ケーブルレスな会議室」を実現し、オンライン会議参加準備の手間を大幅に削減
- マイクとスピーカーを天井、カメラを壁面に設置、さらにワイヤレスコンファレンスシステムを採用して配線の見えない会議室を構築
- 機材を常設したことで、会議準備の工程を大幅に短縮
- 社員が「指一本で」簡単にオンライン会議に参加できる環境を実現
- Google Meet専用機を導入し、PC不要でタッチパネルからワンタッチ接続が可能に
- Google Meetの会議室専用アカウントを設定したことで、アカウント切り替え作業が不要に
- 会議の種類やレイアウトに応じた機器設定の切り替えを、ボタン操作のみで実現
- 準備手順が簡略化されたことでサポート依頼件数が減少し、運用負荷を軽減
ソリューション
構成ソリューション
- AVラック内
- Lenovo Series One (Google Meet専用機)
- Barco ClickShare CX-50 (ワイヤレスコンファレンスシステム)
- VTV Smart Switch (ボタン式の会議室機材の設定切り替え器)
- Shure IntelliMix Room (オーディオ・プロセッシング・ソフトウェア ※PCにインストール)
- その他 オーディオプロセッサ、カメラ制御装置、USBマトリクススイッチャーなど
- AVer PTC310 UV2 (話者追尾機能対応PTZカメラ)
- 85型4K液晶ディスプレイ
- Shure MXA920 (シーリングマイク)
- Shure MXN5W-C (シーリングスピーカー)
「社員の誰もが簡単に使える会議室」を実現するための複合的な仕組みを導入
- Google Meet専用機とGoogleカレンダー連携による、タッチパネルからのワンタッチ接続
Google Meet専用機の機能で、会議ID入力によるZoomへの接続にも対応 - 天井設置型マイク、スピーカーを採用し、タッチレスかつ高品質な音声入出力を実現
- PTZカメラは、話者追尾・リモコン操作の両方に対応
話者追尾機能利用時は、シーリングマイクと連携し、マイクが検知した話者の位置情報をもとに、予め登録したカメラ画角にカメラが動作 - ClickShareを導入し、専用ドングルをPCに接続しボタンを押すだけでワイヤレス画面共有を可能に
ClickShare経由で会議用PCと室内の会議用機材で連携させ、Microsoft TeamsなどPCベースのオンライン会議参加にもBYOD形式で対応 - VTV Smart Switchで会議室内の機材設定操作を一元化。設定変更を会議形態に合わせたボタン操作のみで完了
2.詳細
旧会議室で解消しきれなかった問題を、社屋移転を機に解決へ
山﨑建設株式会社様(以降、山﨑建設様)は、土木工事業を中心に全国で事業を展開している機械土工の専門工事会社です。都市インフラや公共施設の整備に数多く携わり、長年にわたって確かな技術力と誠実な施工で高い信頼を築いてきました。
山﨑建設様は、事務所移転にあたり、旧事務所で抱えていた会議室環境の問題を解決すべくオンライン会議用機材の刷新に取り組まれました。
同社ではコロナ禍を機にオンライン会議の利用が増え、旧事務所でもメイン会議室向けに機材を導入しました。しかし、旧事務所はOAフロアに対応しておらず、電源の位置も限られており、ケーブルが床にむき出しの状態でした。
「当時はマイク・スピーカーと専用の拡張マイク、80インチモニターに加え、モニターが見えにくい座席用に42インチのサブモニターを設置していたため、ケーブル類が“滝”のように散乱していました。」(田村氏)という言葉が、その状況を物語っています。
さらに同会議室は、会議だけでなく社内行事にも使われており、用途によって机や機材を移動・片付ける必要があり、そのたびに準備や撤収の手間が発生していました。
加えて、同社のメインツールであるGoogle Meetの利用においては、1台の会議用PCに多数のユーザーアカウントを作成して運用していたため、しばしばアカウントの切り替え忘れによる混乱が起きていました。会議準備作業が煩雑になり、機器の利用に不慣れな社員からIT担当である田村氏へのサポート依頼が相次ぎ、内線はまさにホットライン状態だったと言います。
「社員の声を反映しながら改善を図ってきましたが、レイアウトが固定できないこともあり、対応できる範囲に限界がありました。会議の際も“うまく接続できない”などのサポート依頼が多く、新社屋ではこうした問題をすべてクリアしたいという思いが強くありました。」(廣瀬氏)と、当時を振り返ります。
「社員の誰が使ってもつなげられる」を追求した、会議室ソリューションの選定
理想の会議室を求めて:ユーザーファーストな要件定義
新しいメイン会議室用のソリューション検討は、同社と取引のある丸紅I-DIGIOグループの川山氏への相談からスタートしました。主な要件は以下の通りです。
- マイクとスピーカーは天井設置で固定し、社員が触らずに使えること
- PCを利用せず、タッチ操作だけでGoogle Meetの会議に参加できること
- Microsoft TeamsやZoomなど、他のツールにも対応できること
ご相談を受けた川山氏は、「山﨑建設様のご要望にお応えするには、仕様だけでなく運用面のノウハウが必要」と弊社にお声がけくださいました。その頃VTVジャパンでは、会議室向けオンライン会議ソリューションの紹介セミナーを開催しており、「天井設置型のマイク・スピーカー」「話者追尾カメラ」「タッチパネルからワンタッチ参加が可能なオンライン会議専用機」を実際にご覧いただきました。
セミナーで紹介された構成はまさに新しい会議室のイメージに近く、同社のメインツールであるGoogle Meetの専用機をベースに、シーリングマイク、スピーカー、話者追尾カメラを組み合わせる方向で機器構成が固まりました。
実機検証と運用設計:誰でも使える仕組みづくり
しかし、当時はGoogle Meetに対応した専用機で外部機器と接続できるインテグレーションモデルは市場にほとんどなかったため、導入予定の機器構成で問題なく動作するのか、希望する運用方法を実現できるのか、徹底的な実機検証を経て最終構成を確定する必要がありました。
「業界柄、対面コミュニケーションを重視する傾向はありますが、外部とのやりとりなど今後もオンライン会議の利用が続くことを見据え、サポートできる人がいないのでオンライン会議ができないことがないよう、“誰が使ってもつなげられる”ことを重要視しました。
社外との接続機会が多いTeamsの専用機も候補にありましたが、優先すべきは社員の使いやすさと考え、社員が使い慣れているGoogle Meetを継続して使える環境を一貫して希望しました。」(廣瀬氏)
「今回選定した機器構成とGoogle Meetとの接続について、VTVジャパンが事前に実機検証してくれたことは、お客様に提案する立場としても非常に助かりました。」(川山氏)
と当時を振り返ります。
さらに、機材を簡単に使うための運用設計も重要でした。導入予定のシーリングマイクは、予め設定した範囲の音声を集音し、話者追尾カメラは、設定した集音範囲内の音声を検知してカメラが動作します。
新社屋移転後もレイアウト変更が必要なメイン会議室で利用するには、専用のソフトウェアで想定される利用パターンに合わせて予め集音設定や追尾画角の設定を登録し、会議の都度設定を切り替える必要があります。この切り替えを、メーカーが提供する管理者向けの専用ソフトを利用するのではなく、山﨑建設様の目指す「誰が使っても、つなげられる」運用に近づけるため、ボタン式スイッチで、シーリングマイクの集音範囲設定とカメラの追尾モードを切り替える仕組みを提案しました。
そして最終的に、「Google Meet対応の専用機であること」「物理ボタンで簡単に設定切り替え操作ができること」「シーリングマイク・スピーカーを採用し、触れずに利用できること」の3点が決め手となり、丸紅I-DIGIOグループとVTVジャパンによる提案が正式に採用されました。
改善とサポートを重ねながら、今後も“誰もが簡単に使える会議室環境”の実現を目指して
導入から半年が経ち、ご様子を伺ったところ、初期には一部不具合が見られ、会議室で検証を行う場面もありましたが、現在は概ね安定した稼働が続いているそうです。
「最近はサポート依頼の声もかかりませんし、ちゃんと使えているのではないかと思います。」(田村氏)
会議室の利用環境も大きく変化しました。旧事務所ではオンライン会議が可能な会議室が2部屋と限られており、予約が取りづらい状況でした。一方、新社屋ではメイン会議室のほか、応接室やテレカンブースを複数設け、オンライン会議用機材を導入しました。これにより、小規模な打ち合わせはテレカンブース、社外との打ち合わせは応接会議室、大人数や資料共有が必要な会議では大型ディスプレイを備えたメイン会議室を活用するなど、用途に応じた柔軟な運用が可能となり、業務効率も向上しています。
一方で、「誰もが使いこなせる環境」には、まだ到達していないという課題も残ります。
「準備の手間は大幅に軽減されましたが、社員全員が使いこなせるところまでは至っていません。たとえ良いものを導入しても、使ってもらえなければ意味がありません。引き続き会議ツールの利用に不慣れな社員のサポートを続け、利用に慣れてもらい、マニュアルを頼りに準備できる社員が少しずつでも増えてくれたらと思います。」(廣瀬氏)
運用面においては、VTVジャパンの会議室向け保守サービス「VTV After Care」を活用いただき、設定の追加を実施しました。VTV After Careには、導入後の運用の変化に合わせ、導入機器の設定変更や調整が含まれます。山崎建設様の場合、設置当時シーリングマイクの集音範囲は20人用・24人用レイアウトを想定した2パターンを用意し、16名で会議をする際のレイアウトでは、20人用レイアウトの設定で運用することを想定していましたが、実際の使用状況から音の拾いづらい場所があることが判明し、16人レイアウト用の集音範囲とカメラレイアウトの設定パターンを追加しました。
今後の展望としては、Google Meetと親和性の高い製品や、新機能の追加に対する関心も寄せられています。特に、24名など大人数の会議での画面共有を見やすくし、ペーパーレス化を促進する方法として、ワイヤレス接続できる小型モニターで資料がみられるようになる仕組みの検討など、新しい会議スタイルへの対応も、今後のテーマとして挙げられました。
「安定して使えていると思いますが、今後もGoogle Meetと親和性の高い製品や新しい機能があればぜひ紹介してほしいですね。」(廣瀬氏)
今後も山﨑建設様・丸紅I-DIGIOグループ様・VTVジャパンの3社が連携しながら、快適にオンライン会議を行える環境づくりに取り組んでいく予定です。
お客様プロフィール
山﨑建設株式会社

土木工事業を中心に全国で事業を展開する機械土工の専門工事会社。1948年の創業以来、高い施工技術で高速道路、ダム、空港、トンネル、敷地造成、メガソーラーなど大規模工事を数多く手掛ける、業界のトップランナーとして存在感を発揮しています。
- 本社:
- 東京都中央区日本橋小網町18番8号
- 創業:
- 1948年4月1日
- URL:
- http://www.yamazaki.co.jp/
山﨑建設株式会社様のオンライン会議室構築は、丸紅I-DIGIOグループ様との連携のもと実施されました。ご担当の川山氏よりコメントをいただきました。
丸紅I-DIGIOグループ
URL:https://www.marubeni-network.com/
今回、山﨑建設様のご移転を伺い、新設される会議室でご利用のWEB会議システムご提案の機会をいただきました。
山﨑建設様は従業員目線で検討を進めておられ、当時選択肢としては難しいGoogle Meetの活用や、だれでも簡単に利用したいなどのご要望を満たす提案をするには、VTVジャパン様が最適と考えお声がけし、一緒に提案を進めました。会議室課題で以前から協業してきたVTV様は、お客様目線での検証や手厚いサポートが特長で、商談で何度もお客様先に足を運んでいただきました。
導入後に生じた小さな不具合にも迅速・確実に対処いただき、大きな安心感と導入効果を実感しています。今後も、幅広い商材の提案、導入をサポートいただき提案を進めていきたいと思います。