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RESOLUTION Vol.10
運用設計で叶える快適なオンライン会議室づくり
3つの構築例からひも解く!会議環境最適化への道のり

運用設計で叶える快適なオンライン会議室づくり
3つの構築例からひも解く!会議環境最適化への道のり

2025年12月
運用設計で叶える快適なオンライン会議室づくり 3つの構築例からひも解く!会議環境最適化への道のり

弊社はオンライン会議のプロとして、会議環境の見直しから機材選定、運用設計までを一貫してサポートしています。
近年では、今の会議室が抱える問題を「機材の入れ替えだけでなく、運用面から見直すことで解決したい」というご相談が増えてきました。そこで今回は、現状の課題を根本から解決し、 より快適で効果的なオンライン会議環境を実現した3つの事例をご紹介します。

【構築例1】
品質改善と運用最適化の二軸からアプローチ
役員の思いを確実に届ける、「伝わる」ことに特化した会議室を構築

最初にご紹介するのは、Web会議対応の役員会議室の構築事例です。

【ご相談の内容】

ご相談は「Web会議の品質を上げて、もっと伝わる会議がしたい」という経営陣の強いご要望から始まりました。
数年前に遠隔コミュニケーションツールをテレビ会議専用機からWeb会議へ切り替えて以来、「意図が伝わりにくい」「相手の反応が読みづらい」との声が挙がるようになったことがきっかけでした。 実際に役員会議室の利用状況を確認していくと、役員が感じている「伝わりにくさ」の正体が見えてきました。

  1. 会議室の規模に対して音声機器の性能が追いつかず、座席位置ごとに集音・拡声にばらつきがあり、会話の抜けが頻発
  2. 会議映像は基本全景のみで、会議室前方の大型モニターに映る各参加者の姿が小さいため、表情や反応がわかりづらく、映像から読み取れる情報が不足

テレビ会議専用機を利用していた頃の機材配置や使い方が、現在利用しているWeb会議の特性に合っていないことが明らかになりました。

【VTVジャパンのご提案】

「発言内容だけでなく誰の発言かまで正しく伝えたい」「遠隔からでも相手の反応を確認しながら会議を進めたい」という役員の強い要望に応えるには、品質向上に加え、コミュニケーションに集中できる環境を支える運用設計が必要でした。

イメージ画像:役員会議室
画像:役員会議室の機材配置図

① 声が確実に届き、相手の声もしっかり聞こえる音声環境へ

役員の声を確実に届けるため、広範囲を集音できるシーリングマイクと、天井から均一に拡声できるシーリングスピーカーを提案しました。マイクと座席位置の関係による会話の抜けを解消し、発言内容はもちろん「誰の発言か」が音声で明確に伝わる環境を実現しました。

② 「誰が話しているか」が伝わり、相手の表情もよく見える映像環境へ

マイクと話者追尾カメラを連携し、音声を検知した方向へ自動追尾させることで、発言者はもちろん表情まで伝わる環境を実現しました。
また、大型モニターを前方に配置する従来の使い方を見直し、フロアモニターを複数台配置し、各々が座席近くのモニターで接続相手の反応や表情をしっかり見えるようにしました。

③ 目的が明確だからこそ、あえてシンプルな運用へ

役員会議室では、高性能・多機能な機材をタッチパネル式制御卓で運用する方法が一般的です。
今回お客様が求めているのは、「参加者同士がしっかり伝わり合うこと」と明確で、複雑な操作や、さまざまな機能を使いこなす必要はありませんでした。
そこで、利用方法に合わせてボタンを押すだけで、音声・映像機器の設定が切り替わるVTV Smart Switchに設定操作を集約させ、簡単・確実に会議の準備ができるシンプルな運用基盤を整えました。

④ 補助マイクで確実に音声が届く環境の強化

シーリングマイクは優れた集音性能を持つ一方、声質や話し方によっては音声を拾いきれない場合があります。
そこで、必要に応じて指向性の高いグースネックマイクを併用できる構成を提案しました。
また、VTV Smart Switchを採用し、制御卓の構築コストを抑えられたことで、グースネックマイクの導入台数を増やすことが可能になり、万が一シーリングマイクにトラブルが起きても、切り替えて利用できるバックアップ環境が整いました。

役員会議室・接続先の双方にとって、「しっかり伝わるコミュニケーション」を品質・運用の両面から支える環境が実現しました。

【構成例2】
使いやすさ・管理負荷軽減・オンライン会議品質向上を同時に実現!
レイアウトが変わっても「変わらず高品質」を叶えた、シーリングマイク×運用設計による最適解

次は、100名以上を収容できる大型連結会議室におけるWeb会議での音問題を解決した事例です。

【ご相談の内容】

ご相談は、「オンライン会議の音声が悪い」という一見シンプルな内容でした。
お客様は、分割・2室連結・3室連結とレイアウトが変更できる大型の連結会議室を社内のさまざまな場面で活用してきましたが、「オンライン会議」になると一転し、使いにくい会議室になっていました。 現地調査の結果、「音が悪い」の裏側に、機材性能の限界と運用の複雑さの二つの問題が潜んでいることがわかりました。

  1. 利用中の音響機材では、いずれのレイアウトでも性能が不足し、特に後方は音が聞こえにい。
    後方席の参加者がスピーカー音量を上げると、前方席には大音量となり、マイクの音が回る・声が割れる・聞き取りにくくなる悪循環が頻発
    イメージ画像:聞き取りにくくなる悪循環
  2. 利用のたびにパーテーション移動や、レイアウトに合わせたマイク本数・配置調整が必要で、準備に手間と時間がかかるうえ、配線や設定でのミスが会議中のトラブルを誘発。利用者にも管理者にも負担の大きい環境になっていた。

【VTVジャパンのご提案】

音声品質改善と、利用者・管理者双方にとって使いやすいオンライン会議環境づくりを目指し、次の提案を行いました。

イメージ画像:連結会議室

① レイアウトが変わっても安定した音声環境の構築と準備工数の削減

お客様の連結会議室の規模と、現在抱えている品質面・運用面の問題を踏まえ、天井設置型のマイクとスピーカーが最適と判断しました。
音響機材が天井に常設されることで、マイク配線・配置などの準備や片付けが不要になり、準備ミスによるトラブル防止につながります。さらに、タッチ操作でレイアウトごとの設定・調整ができるタッチパネル式制御卓と組み合わせ、会議準備手順を簡略化しました。

② シーリングマイクの性能を引き出す運用設計

集音性能に優れるシーリングマイクには、マイクに背を向ける位置に座ると音声を拾いにくくなる弱点があります。
シーリングマイクの性能を十分に活かすため、レイアウトごとに「正面」を決め、オンライン会議の際は正面にテレビモニターを配置して、参加者が自然とマイクの方を向く座席配置になるよう、運用ルールに組み込むことを提案しました。
利用者が、特に意識することなく、安定した音声品質で会議ができる仕組みが完成しました。

画像:役員会議室の機材配置図

③ 音声改善を起点に会議室の可能性を広げる

各室にシーリングマイクとスピーカーを導入し、連結時にはレイアウトに合わせて連動するよう設計したことで、これまで音声品質の問題から「できないもの」と考えられていた3室連結レイアウトでのオンライ ン会議が可能になりました。
さらに今後の活用を見据え、ワイヤレスハンドマイクや、広い空間でも聞き取りやすくするボイスリフト機能を組み合わせることで、会議だけでなく社内イベントのオンライン配信にも対応できる多用途な会議室環境が整いました。
そこで、利用方法に合わせてボタンを押すだけで、音声・映像機器の設定が切り替わるVTV Smart Switchに設定操作を集約させ、簡単・確実に会議の準備ができるシンプルな運用基盤を整えました。

「音声を改善する」ことをきっかけに、会議室そのものの使い方や機能拡張につながりました。

【構築例3】
既存設備を活かしつつ、新しい会議スタイルにも適応
専用機・BYOD会議の共存を叶え、集音環境をアップデート

最後は、既存の会議環境を活かしながら、新しい会議スタイルにも対応できる柔軟なオンライン会議室を実現した事例です。

【ご相談の内容】

お客様は、社内会議には従来型のテレビ会議専用機を使用し、社外との接続にはBYOD形式でWeb会議を行う二重運用をされていました。しかし、Web会議の利用機会が増えるにつれ、次のような問題が表面化してきました。

  1. 専用機とWeb会議で、それぞれ別のマイクを準備する必要がある
  2. 専用機・Web会議ともに有線マイクのため、配線が煩雑で、レイアウト変更のたびに時間と手間がかかる

ヒアリングを進めると、二重運用に至った背景が見えてきました。

お客様は、従来のテレビ会議専用機の利用が社内文化として根付いている一方で、社外コミュニケーション用にPCベースのオンライン会議が主流となったほか、リモートワーク制度が始まりMicrosoft Teamsの利用も増加していました。
慣れ親しんだ専用機を利用したい」「Web会議にもスムーズに対応したい」という、移行期ならではのニーズを抱えていました。

そこで、社内文化と新しい働き方の間で生まれたニーズに応えるべく、両方の運用が共存できる環境づくりを目指しました。

【VTVジャパンのご提案】

イメージ画像:大規模会議室

① CVIによるテレビ会議専用機からTeamsへの接続環境の整備

仕様上は接続互換性のないテレビ会議専用機とMicrosoft Teamsを連携できるよう、ゲートウェイソリューションCVI(Cloud Video Interop)の導入を提案しました。テレビ会議専用機同士の接続環境を維持しながら、従来通りリモコン操作でMicrosoftTeamsの会議への接続が可能になります。
また、CVIはライセンス式で年単位の契約が可能なため、今後の運用方針に合わせて柔軟に見直せる点も、コミュニケーションツール移行期のお客様にとって大きなメリットとなりました。

画像:CVIのしくみ
▲テレビ会議専用機とMicrosoft Teamsは、直接接続ができないため、CVIを経由することで連携が可能になる。

② 専用機・PCどちらでも使えるワイヤレスマイクの導入

専用機とWeb会議の二重運用で負担となっていた「マイクの使い分け」と「配線の煩雑さ」を解消するため、専用機・Web会議どちらにも利用できるワイヤレスバウンダリーマイクで、マイク運用の一本化を図りました。
会議参加ツールが変わるたびにマイクを準備し直す必要がなくなり、ワイヤレス化によって、会議テーブル上をすっきりさせることもできます。さらに、レイアウト変更がスムーズになり、会議準備・片付けにかかる工数が大幅に削減されることで、会議室の使い勝手の向上にもつながります。

専用機に慣れたユーザーにも、新しいツールを積極的に使いたいユーザーにも快適で柔軟性の高い会議環境を実現しました。

快適な会議環境は、ユーザー像と利用環境の理解から

快適なオンライン会議環境づくりは、機材を揃えるだけでなく「誰がどのように使うのか」ユーザー像や用途、これまでの利用環境を踏まえ、運用から設計することが重要です。

今回ご紹介した事例はいずれも、今起きている不具合に対処するだけでなく、「問題の背景に何があるのか」「利用者がどのような会議体験を求めているのか」を見極められたからこそ、最適解を見つけることができました。

会議環境の課題は一見似ていても、利用環境や企業文化、重視するポイントが異なれば、最適な解決方法も変わります。
多くのご担当者が試行錯誤を重ねながらオンライン会議環境改善に取り組まれていますが、もしそれでも限界を感じているのであれば、プロと一緒に見直してみることが、課題解決への新たな一歩になります。

VTVジャパンは、機材選定から「どう使うか」まで、会議環境全体をともに設計するパートナーとして、お客様にとっての最適解を探し、形にしてまいります。

「こう使いたい!」が見つかる。快適なオンライン会議室を叶えるデザイン事例を公開中
サムネイル画像:オンライン会議室デザイン集

オンライン会議の専門会社としての経験とノウハウをもとに、これまでに手がけてきた快適な会議室づくりのデザイン集を弊社Webサイトにて公開しています。