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RESOLUTION Vol.10
日本語に強い文字おこしツールの実力を検証!議事録作成効率化の可能性をさぐる

日本語に強い文字おこしツールの実力を検証!
議事録作成効率化の可能性をさぐる

 
2025年12月
イメージ画像:議事録作成作業

議事録作成は欠かせない業務ですが、会議内容の整理や発言の確認など作業が多く、時間がかかりがちです。
こうした負担を軽減する手段として、自動音声認識を活用した「文字おこし」の利用が広がっています。Microsoft TeamsやZoomにもリアルタイム文字おこし機能が搭載され、議事録作成の効率化を支援する環境が整いつつあります。

今回は、文字おこしを活用した議事録支援ツールを社内で試用し、その実力を検証しました。

議事録作成の心強い味方!
日本語に強い議事録作成ツール「Scribe Assist」

議事録作成効率化のカギとなるのは、精度(どれくらい正確に文字化できるか)と安全性(音声データの送信先)です。この2点が両立できるツールとして、私たちは、議事録作成支援ツール「ScribeAssist(スクライブアシスト)」を試用しました。

ScribeAssistは、日本発の音声認識エンジン「AmiVoice®」を搭載しており、日本語特有の言い回しや、業界特有の専門用語にも強いのが特長です。英語ベースで開発されている海外製Web会議ツールの文字おこし機能とは異なり、日本語の自然な文章を生成できる点に注目しました。

また、会議の音声データを外部サーバーに送信せず、アプリをインストールしたPC内で動作するため、機密性の高い会議でも安心して利用できます。

あわせて読みたい
サムネイル画像:議事録作成支援ツール:ScribeAssist]

ScribeAssistの仕様や詳細な機能については、こちらのページからご確認いただけます。

AIがリアルタイムで会議音声を文字起こし・要約する議事録作成支援アプリ

実際の会議で使って見えてきた、手応えと注意点

今回の検証では、所要時間1時間程度の参加者が順に発表する報告形式の会議で、ScribeAssistが実務でどのように利用できるのかを確認しました。

【検証環境】

会議の種類 ①Microsot Teams ②Zoom ③対面会議
参加人数

6名
(リモート1名/会議室5名)

8名
(リモート3名/会議室5名)

6名

使用音声機器
  • リモート:ヘッドセット
  • 会議室:ヤマハ YVC-1000
  • リモート:ヘッドセット、イヤホンマイク
  • 会議室:Zoom専用機(NeatBar Pro)
  • ノートPCの内蔵マイク
ScribeAssist利用PC

リモート参加者のノートPC

リモート参加者のノートPC

会議出席者のノートPC

【検証結果】

評価:良い
ほぼ遅延なくリアルタイムで文字化される
オンライン・対面会議どちらも、発言から文字化までの遅延はほとんど感じませんでした。会議の流れがその場で把握しやすくなると感じました。
評価:良い
発言者の自動識別は実用的で改善の見込みあり
事前の音声学習データがなくても、発言者に番号を振って自動識別します。あとから発言者名を置き換えることができるので、社外のゲスト参加者がいても問題なく利用できました。
複数人の発言が重なると識別が難しくなる場面もありましたが、使い続けることで音声データが蓄積されれば、改善されそうという期待も持てました。
評価:大変良い
ゼロから作り始める必要がないので、作業スピードが大幅アップ
文字化された内容を修正するだけで議事録が形になる点は大きなメリットでした。
さらに、「えー」「あのー」などの言い淀みが自動削除されているため、文章が読みやすく、整理しやすい状態になっていました。議事録化しやすいベースが整っていることで、作業時間の大幅短縮につながっている手応えを感じました。
評価:大変良い
音声と文字がリンクしているので、後からの確認が簡単
文字化された内容と音声が紐づいている記録されるため、会議後任意の箇所だけをピンポイントで再生でき、聞き直しが非常にスムーズでした。
個人的には、あとで確認したい箇所に簡単にさかのぼれる安心感から、寄り会議に集中しやすくなりました。 一言一句正確な記録が求められる会議の議事録作成では特に力を発揮すると感じました。
評価:課題あり
音声の入り方で発言の拾い漏れに差が出る
課題として見えてきたのが音声の拾い漏れです。発表を意識していないつぶやきや、マイクから離れた席の声は、参加環境に関係なく文字おこしの精度が不安定になりがちでした。
特に対面会議でノートPCの内蔵マイクを利用した際は、文字おこしでの拾い漏れが多く、集音性能の限界を感じました。 また、ヘッドセットでも発言者が語尾を弱めると、語尾だけが文字化されない場面がありました。

議事録作成効率化のカギは音声品質にあり!

今回の検証を通して強く感じたのは、ツールに入力される音声の品質が、文字起こしの精度と作業効率を大きく左右するということです。

オンライン会議は、マイクやヘッドセットを利用することでクリアな音声環境がつくりやすく、文字起こしツールとの相性が良いといえます。高精度な文字おこしが期待できる一方で、音声の拾い漏れが見られたことからも、マイクの品質や会議室の音響環境によって、精度が変わることを実感しました。

今回の会議はいずれも参加者が順に発表する報告形式でしたが、ディスカッション形式の会議では、音声機器の性能や設置環境がより重要になると感じます。
実際、弊社のお客様では、会議室の音響設備刷新に合わせてScribeAssistを導入したことで、これまで2〜3日かかっていた議事録作成が1日以内に短縮された例もあります。

議事録作成の効率化は、ツールの導入だけで完結するものではありません。音声環境の整備と組み合わせることで、文字起こしツールはより心強い存在になるはずです。