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【プロが徹底解説】オンライン会議のWeb会議とテレビ会議の違いは?
Web会議教室 第1回

オンライン会議のWeb会議とテレビ会議の違いとは?

仕組みの違いやメリット・デメリットを紹介

 
Web会議

Web会議とテレビ会議は「遠く離れた人とコミュニケーションをとる」という目的は同じですが、その性質や仕組みは大きく異なります。

主にパソコンやタブレット、スマートフォンで利用する「Web会議」と、会議室に設置して利用する「テレビ会議」。近年ではどちらも導入して会議の内容や参加人数によって使い分けている企業もあります。
両方のメリット・デメリットを理解した上で、自社には何が合っているのかを考えることが重要です。

Web会議(オンライン会議)とは

Web会議とは、インターネットを利用して遠く離れた人と映像・音声などのやり取りができるツールを指します。資料共有、ホワイトボード、チャットなど円滑な会議に必要な機能が揃っています。
一般的にはパソコンやタブレット、スマートフォンで利用でき、場所を選ばず手軽に会議に参加できることが特徴です。

1対1の接続による打ち合わせやテレワーク中のコミュニケーション手段としての利用が主でしたが、近年ではセミナーや採用面接などさまざまな場面で利用されています。

Web会議イメージ
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クラウドサービス・オンプレミスMCU

テレビ会議(オンライン会議)とは

テレビ会議とは、遠隔拠点を通信回線で結び、音声、映像、データを双方向にやりとして、同じ空間(会議室)にいるようにコミュニケーションをとることができる通信形態を指します。
接続する各拠点(会議室やミーティングルーム)にテレビ会議システムと呼ばれる専用の機器が必要で、テレビモニターやプロジェクターなどと接続して利用します。

テレビ会議システムには、コーデックと呼ばれる本体、カメラ、マイク、リモコンが付属しています。
※コーデックのみでの販売されている製品もあります。

テレビ会議システムイメージ

Web会議サービスの代表格であるZoomやMicrosoft Teamsは、テレビ会議のように会議室に設置しながらZoomやTeamsを簡単に利用できる「Zoom Rooms」や「Microsoft Teams Rooms」というサービスも発表しています。

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【オンライン会議】Web会議とテレビ会議のメリット・デメリット

基本的にWeb会議は1人での利用、テレビ会議は複数人での利用を前提に設計されており、それぞれにメリット・デメリットがあります。
以下の表ではWeb会議とテレビ会議の違いを、「導入コスト」「運用開始までの時間」「利用環境」「利用シーン」の項目で比較しました。それぞれのメリット・デメリットを把握して、自社の運用方法や用途に合わせた利用をおすすめします。

オンライン会議徹底比較!Web会議 vs. テレビ会議

  Web会議システム テレビ会議システム
導入コスト
機器コストと管理者の負担を軽減できる
  • 既存パソコンを利用できるため、低コストで導入できる
初期投資が必要
  • 接続する拠点ごとにテレビ会議専用機を調達する費用が必要
  • ネットワークの調整、運用ルール決めなど管理者の業務負荷が大きい
運用開始までの時間
Web会議サービスの利用契約にかかる時間が短い
  • 調整事項が少ない分、開始まで時間短縮できる
テレビ会議および会議室やミーティングスペースの運用ルールなどを決定する必要がある
  • 運用ルールの確立、社内ユーザーへの勉強会を実施するなど準備と時間がかかる
利用環境
不安定な利用環境
  • 利用するデバイスのスペックに依存する
  • サービスのバージョンアップに伴うGUI変更による操作トラブルや、対応ブラウザの変更により接続できなくなる可能性もある
計画にそった運用維持が可能
  • バージョンアップが必要な場合は、事前に検証するなどトラブルを回避する対策がとれる
主な利用シーン ひとりずつの多地点接続
  • テレワーク
  • 朝礼や社内研修など
  • 担当者間での打ち合わせ
グループ対グループの会議
  • 議論が必要とされる会議
  • 役員会議など重要会議

【オンライン会議】Web会議とテレビ会議 仕組みの違い

Web会議は、パソコンでソフトウェアコーデックを動作させ、サーバーを介して相手先端末と映像・音声データの送受信を行うシステムです。最初にサーバーへログインを行ってから接続が可能になる、クライアントサーバー型の接続形態を取っています。

対するテレビ会議は、電話と同じように、サーバーを介せず相手とダイレクトに接続するP to P (Point to Point)の接続形態を取ります。Web会議では、サーバーが接続の管理を行い、クライアントから送信されてきた映像・音声データを必要な相手先へ振り分けて配信しています。その際サーバーでは、映像・音声の処理は行っておらず単に配信を行っており、分割画面時は分割数に応じたストリームがサーバーとクライアント間に発生します。

  Web会議システム テレビ会議システム
接続形態 サーバー&クライアント Point to Point(PtoP)
2拠点接続 Web会議システム 2拠点接続
2地点接続でもサーバーを経由。
上下非対称通信
テレビ会議PtoP接続
H.323に準拠していれば、
メーカーが異なっても接続が可能
複数拠点接続 Web会議システム 複数拠点接続 テレビ会議システム 複数拠点接続/小規模型
テレビ会議システム 複数拠点接続/大規模型
上りと下りで帯域が変わる 多地点接続時も、MCU(センター拠点)と
子拠点間はP to P接続、1ストリーム
その他 【Web会議の特長】
  • システム
    独自方式
    一部Web会議と言いつつH.323に準拠のシステムもあるが、技術的には“P to P”接続
  • 帯域
    上下非対称通信
    画面の数に合わせたストリームが発生
  • ログイン機能
    相手と接続する前に、サーバーへのログインが必要
  • アプリケーション共有
    PCのアプリケーションを使ってデータ共有ができる
  • 非同期
    映像と音声の同期を取っていない
  • エコキャンセラー
    エコーキャンセラーを内蔵していないので、拡声を行なう場合は、外付けのエコーキャンセラーが必要
【IPネットワークへの動作条件】
  • 帯域
    上下で映像・音声の処理容量×1.4の帯域が必要
  • パケット遅延
    機種によっても異なるが150ms以内の遅延
    ジッタは35ms以内
  • パケットロス
    1%以内
  • NAT/Firewall
    H.323パケット通過させる仕組みが必要
    (H.323プロキシー、H.460.18,19)

【オンライン会議】Web会議システムとテレビ会議システムの必須機能「コーデック」とは

Web会議

Web会議とテレビ会議の映像・音声処理を行う機能について説明します。

Web会議・テレビ会議ともにまずは、カメラなどの映像機器およびマイクなどの音声機器からそれぞれのデータを取り込みます。
次に取り込んだ、映像・音声データを符号化(エンコード)してネットワークを通じて相手先へ配信します。
そして最後に受取った相手がそれを元の映像・音声に復号(デコード)するという大まかにみると3つのプロセスになります。

それを双方向で行うことで、お互いのコミュニケーションが成立します。ここで一番重要な「圧縮と復元の役割を担う機能」を担うのが「コーデック」といわれるパーツです。

このエンコード・デコードを、専門の集積回路で行うコーデックを「ハードウェアコーデック」と言い、ソフトウェアで行うコーデックを「ソフトウェアコーデック」と言います。
テレビ会議はハードウェアコーデックを実装し、Web会議はソフトウェアコーデックを実装しています。

それぞれの比較は、下の表を参考にしてください。

  ソフトウェアコーデック ハードウェアコーデック
特徴 CPUによる画像・音声処理
CPUの性能に依存、CPUのスピードが上ったことにより品質が改善
専用のDSPによる画像・音声処理
処理能力が高く、高品位で安定したデータの処理が可能
製品タイプ PCタイプ
Web会議、PC会議
テレビ会議・ビデオ会議
・セットトップタイプ ・ルームタイプ
・デスクトップタイプ ・電話タイプ
メリット 安価、手軽、ホワイトボードなどのアプリケーション共有が可能、モバイル対応 安定性が高い、操作が簡単、起動が早い、壊れにくい、ウィルスに感染しない、エコーキャンセラーやリップシンクなどテレビ会議用途に最適化されている
デメリット CPUの性能に依存、個人で使用するため、グループで使用する場合は拡張が必要 価格が高い、機器に汎用性がない

Web会議(オンライン会議)の標準規格

Web会議は、テレビ会議のようにP to Pで接続しないので端末同士を直接接続する必要がありません。そのため、テレビ会議で定めているような標準規格(H.323など)はありません

Web会議(オンライン会議)を行う準備

Web会議

最初にソフトウェアをパソコンにインストールする必要があります。その場合、専用ソフトをインストールする製品とブラウザのプラグインとしてインストールする タイプがあります。

次に、カメラと音声機器を用意します。カメラはWebカメラと言われるパソコンとUSBで接続するカメラ、音声はヘッドセット(ヘッドフォンとマイクのセット)か、スピーカーフォンと言われるエコーキャンセラー内蔵のマイクとスピーカーが一体になった機器が必要です。1拠点で複数人数が使用する時は、スピーカーフォンが必須となります。

よくある質問

    Q. テレビ会議とWeb会議の違いを教えてください
  • A. Web会議とテレビ会議の一番の違いは利用している処理装置です。Web会議はPCやタブレット端末のCPU(Central Processing Unit)、テレビ会議はDSP(Digital Signal Processor)と呼ばれるデジタル信号処理に特化した処理装置が使われています。どちらも同じ演算装置ですが、汎用性の高いCPUに比べDSPは大量で複雑な演算も短時間に処理す津ことができるため、Web会議と比較するとテレビ会議は映像・音声品質に優れています。反面コスト面ではテレビ会議はコーデックと呼ばれる本体の他、カメラやマイクスピーカー、モニターなどが必要になるため初期導入費は高額になり、Web会議と比べ設定などが複雑です。

    Q. テレビ会議、Web会議の有料・無料の違いを教えてください
  • A.テレビ会議は、専用のデバイス・テレビ会議システムが必要なので無料はありません。一方、Web会議は、Zoomをはじめ無料で利用できるサービスが提供されています。無料版は利用できる機能や1つの会議に接続できる人数が制限されていたり、1回の接続時間が決まっていることがあります。有料版のWeb会議は、セキュリティ面を強化するための機能や録画・視聴機能、1会議に接続できる人数が増えるなど、ビジネスシーンで利用しても問題がない品質や機能が利用できます。契約前に無料でトライアルできるWeb会議サービスがあるので、自社の運用にそった会議ができるのか、操作性などを確認することをおすすめします。Web会議サービス無料プランを実施しているサービスの詳細は下のページをご参照ください。

    Q. テレビ会議の種類と価格を教えてください
  • A. テレビ会議は、個人利用向けから10名以上の人数に対応するものなどさまざまな製品が各メーカーから販売されています。ほとんどの製品がオープン価格となっているのでお問い合わせください。個人利用には、カメラ・マイク・モニターなどテレビ会議に必要なものすべてを搭載した一体型モデルが人気です。グループ会議向け製品は、5名程度の小規模会議、8名程度の中規模会議、10名程度の大規模会議などにわかれていて機能やマイクの集音範囲、カメラの性能が変わります。
    規模別のテレビ会議製品については下のページをご参照ください。