「Web会議」とは、パソコンやタブレット、スマートフォンを使用して音声・映像(ビデオ)でやり取りするコミュニケーションツールです。
ほとんどのWeb会議はデスクトップ共有といった資料共有はもちろん、チャット機能・プレゼンス確認機能などにも対応しています。
Web会議は個人のデスクや外出先・自宅からでも場所を選ばず手軽に利用できるツールなので、1対1での打ち合わせにはWeb会議、複数人での会議・打ち合わせにはテレビ会議といった参加人数や会議用途によって使い分ける企業もあります。
Web会議は、パソコンでソフトウェアコーデックを動作させ、サーバーを介して相手先端末と映像・音声データの送受信を行うシステムです。最初にサーバーへログインを行ってから接続が可能になる、クライアントサーバー型の接続形態を取っています。
対するテレビ会議は、電話と同じように、サーバーを介せず相手とダイレクトに接続するP to P (Point to Point)の接続形態を取ります。 Web会議では、サーバーが接続の管理を行い、クライアントから送信されてきた映像・音声データを必要な相手先へ振り分けて配信しています。その際サーバーでは、映像・音声の処理は行っておらず単に配信を行っており、分割画面時は分割数に応じたストリームがサーバーとクライアント間に発生します。
>> 【テレビ会議を導入するなら読んでおきたい!テレビ会議のしくみ】
Web会議の話をする前に、映像・音声処理を行う機能について説明します。
テレビ会議・Web会議ともに先ずは、カメラなどの映像機器およびマイクなどの音声機器からそれぞれのデータを取り込みます。次に取り込んだ、映像・音声データを符号化(エンコード)してネットワークを通じて相手先へ配信します。
そして最後に受取った相手がそれを元の映像・音声に復号(デコード)するという大まかにみると3つのプロセスになります。
それを双方向で行うことで、お互いのコミュニケーションが成立することとなります。ここで一番重要なのは、圧縮と復元の役割を担う機能になり、これがコーデックといわれるパーツです。
このエンコード・デコードを、専門の集積回路で行うコーデックをハードウェアコーデックと言い、ソフトウェアで行うコーデックをソフトウェアコーデックと言います。 テレビ会議、ビデオ会議と言われる専用のシステムは、ハードウェアコーデックを実装し、Web会議はソフトウェアコーデックを実装しています。
それぞれの比較は、以下の表を参考にしてください。
ソフトウェアコーデック |
ハードウェアコーデック |
|
特徴 |
CPUによる画像・音声処理 |
専用のDSPによる画像・音声処理 |
製品タイプ |
PCタイプ |
テレビ会議・ビデオ会議 |
使用用途 |
デスクトップ |
会議室 |
メリット |
価格が安い、手軽に使うことが出来る、ホワイトボードなどのアプリケーション共有が可能、モバイル対応 |
安定性が高い、操作が簡単、起動が早い、壊れにくい、ウィルスに感染しない、エコーキャンセラーやリップシンクなどテレビ会議用途に最適化されている |
デメリット |
CPUの性能に依存。個人で使用するため、グループで使用する場合は拡張が必要 |
価格が高い、機器に汎用性がない |
最初にソフトウェアをパソコンにインストールする必要があります。その場合、専用ソフトをインストールする製品とブラウザのプラグインとしてインストールするタイプがあります。
次に、カメラと音声機器を用意します。カメラはWebカメラと言われるパソコンとUSBで接続するカメラ、音声はヘッドセット(ヘッドフォンとマイクのセット)か、スピーカーフォンと言われるエコーキャンセラー内蔵のマイクとスピーカーが一体になった機器が必要です。1拠点で複数人数が使用する時は、スピーカーフォンが必須となります。
Web会議は、テレビ会議のようにP to Pで接続しない為、端末同士を直接接続する必要がありません。その為、テレビ会議で定めているような標準規格(H.323など)は、ありません。