ページの先頭です。
このページの本文へ移動します。
テレビ会議用語集 トップ画像
テレビ会議用語集 トップ画像

テレビ会議用語集HDR (High Dynamic Range)

HDR (High Dynamic Range)

High Dynamic Rangeの略語で、日本語ではハイ・ダイナミック・レンジあるいは高ダイナミックレンジと表記する。画像の表現範囲を広げる技術で、動画と静止画では技術内容が異なる。

動画HDRの場合、コントラスト(白と黒に対応する明るさの比)を高めることと、再現する色の範囲を広げることが行われる。コントラストを高めるには、カメラ系、伝送系、ディスプレイ系のそれぞれで扱える輝度の範囲を広げなければならない。実際の風景では暗闇から直射日光までのコントラストは1015に及ぶ。人間の眼は瞳孔の開閉でこれを見ているが、瞳孔の開きを固定すると検知できるコントラストは105程度となる。そこで、HDRではこのコントラストをカメラ系、伝送系、ディスプレイ系で再現する。従来技術(SDR: Standard Dynamic Range)のディスプレイでは最高輝度が300 nit(注1)、コントラストは1000以下にとどまっている。このため高コントラスト場面では黒つぶれ、白とびと呼ばれる症状を呈する。一方HDR対応ディスプレイでは最高輝度1000 nit以上の能力を持っていて、高コントラスト再現を可能にする光・電気変換特性を採用する。色の再現範囲、特に緑方向の再現範囲を広げるため、HDRでは勧告ITU-R BT.2020で定める色域(color gamut、3原色で決まる)を適用し、人間の知覚できる色域の76%を表現できる。SDRは勧告ITU-R BT.709の定める色域を対象とし、人間の知覚できる色域の35%を表現できる。

動画像の高画質化要因は、高解像度(画素数を増やす)、高コントラスト、広色域であるが、高コントラスト、広色域を実現するHDRは、画質改善がめざましく、ダイナミックレンジは同じにした2KのHDTVから4Kテレビ(注2)に変わったときの画質向上より、SDRのHDTVから解像度はそのままでHDR化した方が画質向上の効果は大きい、と評する人もいる。勿論、4KテレビをHDR化すればさらに画質向上効果が大きくなる。

静止画におけるHDR技術は、露出を変えて撮影した複数画像を合成して一枚の画像にする。暗い部分、中間的な部分、明るい部分を問わず、人間の眼によく見えるようにする効果がある。

注1:nit(ニット)は輝度の単位で、1㎡の平面光源の光度が1cd(candela、カンデラ)のときの輝度が1nitとなる。
注2:4KテレビはHDTVに比べ画素数が4倍になっているほか、勧告ITU―R BT.2020の広色域を採用している。

関連用語