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第2回「テレビ会議の本質は創造性の開拓」日大商学部 児玉 充氏 3/4

創造性は質の高い対話から生まれます。それをサポートするのがテレビ会議です。
児玉教授
当時テレビ会議をここまで全国規模で運営した大手企業は、恐らく NTT が最初だったと思います。その次は、私が後に移籍した NTT ドコモです。 NTT ドコモはトップと社員間の情報共有を大切にしていて、かなり早い時期から本社と全国の支店とを結び、「御用聞きテレビ会議」というものをはじめました。こ の名前は、 NTT ドコモの初代社長である大星公二さんが付けました。お客様の声だけでなく、現場からの声も聞きたいという思いを込めたんですね。
栢野
教授は、ドキュメントなどのようにすでにアウトプットされているものを“形式知”、自分の頭にあってまだイメージ化できていないもの、言語や文章で表現す るのが難しくアウトプットできないものを“暗黙知”と説明なさっていらっしゃいますよね。「御用聞きテレビ会議」は、その暗黙知の報告を受けるために用意 されたということでしょうか。
児玉教授
その通りです。しかも NTT ドコモの場合は、導入にあたって現場の抵抗がまったくありませんでした。あの頃の携帯電話業界は右肩上がりで成長していて、とにかくスピーディーに情報を共有する必要があったからでしょう。
このようなことから、私はテレビ会議が組織を、そして人を変えるという効果があるととらえています。映像は暗黙知的な感情を伝えてきます。映像を見れば 怒っていることは分かりますからね。ああ気に入らないんだな、とかね。特にいまは映像がとても綺麗で、細かいところまですべて分かります。
栢野
なるほど。おっしゃる通りですね。
児玉教授
私は、テレビ会議の素晴らしさは、経営の効率化だけではなく創造性だと思っているんです。創造性は対話から生まれます。私が研究しているイノベーション は、海外でも盛んに研究されている分野ですが、学者の間ではイノベーションは対話から生まれるというのが共通の認識になっています。それも質の高い対話か らです。

栢野
質の高い対話――ですか。
児玉教授
濃密な対話を行うことによって、新しいイノベーションが生まれる確率が高くなるという研究結果があるんです。しかも同質的でない対話です。たとえば会社であれば、営業やマーケティング、研究、技術、生産、サポートなど、いろんな部署の人たちが集まって、ワイワイガヤガヤやるんです。 テレビ会議は時空間を超越した対話を可能にします。お客様やパートナー、多種多彩な考え方を持った人たちが、テレビ会議を通してグローバルに対話する。それで新しい知識が触発されて、ある種のひらめきがぱっと出てきます。まさに創造性です。これは電子メールじゃダメなんです。イメージやコンテキストをお互いにリアルタイムで共有しながら仕事をしていくことが重要なんです。
栢野
ワイワイガヤガヤと対話をしているうちに、同じイメージを共有して結晶化する。そのためにも、映像の力が必要だということですね。そこからアウトプット、つまり形式知もできていくと。
児玉教授
そういうことですね。
栢野
これからは、暗黙知を共有できる場やツールを持っている企業が、経営的に強くなっていくのかもしれませんね。
児玉教授
優良企業だったり、優れた商品が次々と出てくる企業というのは、面白いことに会議が非常に多いんです。会議はよくないとか、会議が長いのはダメだとか、会議ばっかりやっていちゃダメだと言う意見を有する方がいらっしゃいますが、私は会議が一番重要だと思っています。もちろん、ダラダラやっている会議はダメですよ。でも、密度の濃い会議はどんどんやるべきです。質の高い討議・討論を行うことによって、質の高い意思決定ができます。それをサポートするのが映像ツールです。テレビ会議を出張削減のためのツールだと思っていらっしゃる方が多いのですが、本質は創造性の開拓と質の高い意思決定にあります。
栢野
当社のお客様で、テレビ会議端末を 80 台導入して、 4 拠点ずつ 12 のテレビ会議が同時に開催できるように MCU を設定している企業があります。経営的に高く評価されている企業なのですが、それでも足りないとおっしゃっています。世界的経済不況にみまわれている昨今 だからこそ、会議をしっかりと行って会社の業績をあげていく必要があるということで、ますます会議回数が増えているようです。
児玉教授
会議は対話です。つまり対話することによって、新しいものがどんどん生み出されるということなんですよね。
栢野
児玉教授の講演の中にナレッジコミュニティというものがありましたが、当社のお客様にも、社内だけではなくグループ会社や提携先企業とテレビ会議を行っている企業があります。教授のおっしゃる「タイプ 2 のナレッジコミュニティ」ですね。次にはサプライヤーとも接続できるようシステムを拡張するという計画があって、ナレッジコミュニティの枠がどんどん広がっていくようです。
児玉教授
特に開発系企業は、コアのソフトウェア開発だけ自社で行って、ハードウェアは台湾だとか、ソフトウェアの一部はインドだとか、分散的に展開していく方向に あります。そうしないとコスト面の競争力がついてこないし、スピード面でも間に合わないんです。自然と他社のマネージメントもやらなければなりません。そ の結果、会議の場が非常に重要になります。徹底的にやるには、テレビ会議などのツールを活用するしかありません。

 

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