Web会議の音声改善は「マイク選び」で決まる

Web会議は手軽に利用できる一方で、「音が聞き取りづらい」と感じる場面も少なくありません。こうした課題はWeb会議システムの違いだけでなく、会議室の音響環境やマイクの構成に大きく左右されます。特に会議室でWeb会議を行う場合、マイク選びは快適な会議をおこなう上で重要な要素です。
本記事ではWeb会議における、会議室の規模や用途に応じたマイク選定の考え方を解説します。
Web会議用マイクの種類と特長
Web会議用マイクには、手軽に導入できるマイクスピーカーから、高品質な会議室向けマイクシステム、会議室内の音声を広範囲に集音できるシーリングマイク、発言者の声を明瞭に拾うグースネックマイクなど、さまざまな種類があります。それぞれ特長や適した利用シーンが異なるため、会議室の規模や人数、会議の進め方に応じて選ぶことが重要です。
マイクスピーカー

マイクとスピーカーが一体化、またはセットになっている卓上デバイス。USB対応が多くPCに簡単に接続でき、手ごろな価格帯で導入しやすい。
- 少人数(〜4、5名程度)の会議
- 複数の会議室で共用したい場合
- PC内蔵マイクよりも音声を改善したい場合
会議室が広くなると集音範囲や音量に限界が出やすい。「拡張しているのに聞き取りづらい」場合は、会議室設備用マイクの検討が必要。
マイクシステム

複数マイクを制御装置で管理する拡張性の高い音響システム。会議規模や用途に応じた柔軟な構成が可能で、安定した音質を提供できる。
- 中〜大会議室
- 常設の会議室設備で使う場合
- 音声品質を重視する会議
マイク台数や配置場所があっていないと十分な効果が得られない。機器設定や調整に専門知識が必要で、導入コストや設置工期も事前に考慮する必要がある。
ハンドマイク

持って話すことで確実に発言者の声を拾えるマイク。音量が安定しやすく、司会進行や発言者が明確な場面で発言者の声を明瞭に拾い、聞き取りやすい音声を確保できる。
- セミナー・講演会
- 質疑応答のあるイベント
- 発言者が限定される場合
有線タイプはケーブルによる移動制限や断線リスクがあり、無線タイプは電波干渉やバッテリー管理に注意が必要。用途や運用環境に応じて有線か無線かを選ぶことが重要となる。
ピンマイク・ボディパック

衣服に装着したり首から下げて、ハンズフリーで使用できるマイク。話者との距離が一定なため音量が安定し、話者が移動するシーンでも聞き取りやすい。
- プレゼン・研修
- 登壇者が移動する場面
- 作業しながら発言する場合
装着位置によって音質が大きく変わるため事前確認が必要。バッテリー管理や電波干渉、服装への影響など運用面の配慮が求められる。
シーリングマイク

天井設置型のマイク。会議室全体をカバーし、話者追尾やビームフォーミングで自動集音が可能。机上がすっきりし、多人数会議の常設化に適している。
スピーカー内蔵のシーリングマイクスピーカーも有り。
- 中〜大会議室
- マイク位置を気にせず会議に集中したい
- 多人数・自由発言の会議
取り付けには工事が必要。集音設定などは専門知識が必要。
グースネックマイク

卓上や演台に固定して使う指向性マイク。口元に近づけて利用するため、座席位置や話者の声量に左右されにくく、安定した音声集音が可能。発言内容や品質重視な会議の場で利用される。
- 役員会議や評議会など、発言席が決まっている会議
- 議長・司会が進行するフォーマルな会議
- 着席したまま発言する場面
同時に使用できる本数が決まっているためディスカッションには不向き。人数が増えると設置台数も増え、卓上スペースや有線の場合には配線計画に注意が必要。
【番外編】ビデオバー

カメラ・マイク・スピーカーを一体化した会議デバイス。設置と設定が簡単で、映像と音声をまとめて高品質に提供できる。
- 小〜中会議室
- 常設の会議室設備で使う場合
- 導入コスト・工期を抑えたい場合
対応できる会議室サイズに限界があり、広い部屋では集音や画角が不足しやすい。機種によってはマイク追加などの拡張性に制限がある。
会議室規模・用途別|Web会議用マイク比較表
Web会議用マイクの種類ごとに、特長や適している会議室規模・利用環境を一覧にまとめました。Web会議用マイクを比較・検討する際の参考としてご活用ください。
| マイク スピーカー |
マイク システム |
ハンド マイク |
ピンマイク | シーリング マイク |
グースネック マイク |
ビデオバー | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 会議室規模 | 小規模 | 中・大規模 | 中・大規模 | 中・大規模 | 中・大規模 | 中・大規模 | 小・中規模 |
| 主な用途 | 通常会議、打ち合わせ | 通常会議、部門会議 | 研修、セミナー | 研修、セミナー | 通常会議、役員会議 | 役員会議 | 通常会議、打ち合わせ |
| マイク特長 | マイクとスピーカーが一体化し、USB接続などで手軽に拡張できる | 複数のマイクを組み合わせ、会議室規模に応じて集音範囲を拡張できる | 発言者が持って使うため、距離の影響を受けにくく明瞭に集音できる | 身に着けて使用し、発言者の声を安定して拾える | 天井設置により会議室全体をカバーし、発言位置に左右されにくい | 口元に近づけて使用し、指向性が高くノイズを抑えやすい | カメラ・マイク・スピーカー一体型で、配線や設置がシンプル |
| メリット | 手軽に導入できる | 集音範囲を拡張できる | 声を明瞭に拾える | ハンズフリー | 発言位置に左右されにくい | 音質が安定 | 配線がシンプル |
| 注意点 | 広い会議室では集音不足 | 設計次第で効果に差 | 共有利用の場合受け渡しが必要 | 複数人会議には不向き | 設計・調整が重要 | ディスカッションには不向き | 会議室規模に制限 |
会議室が広くなるほど、マイクスピーカーやビデオバーだけでは対応が難しくなり、会議室規模に見合った音響設計が重要になります。
Web会議用マイクに関するよくある質問
Web会議をご利用のユーザーから寄せられるよくある質問とその回答をまとめました。その他ご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

- Web会議システムの種類によって、使えるマイクは変わりますか?
- 基本的には変わりません。多くのWeb会議システムは外部マイクの接続に対応しており、システムの種類よりも会議室環境に合ったマイク選びが重要です。
- 複数のマイクを設置すると、ハウリングや音声トラブルは起きませんか?
- 適切な機器選定と音響設計を行えば、複数マイクでもハウリングを抑えた安定運用が可能です。
- 会議室の天井が高い場合、シーリングマイクは使えますか?
- 使用は可能ですが、天井高や部屋の形状によって効果が変わるため、設計や事前検証が重要になります。
- 研修やセミナーをWeb会議で配信する場合、通常の会議用マイクで対応できますか?
- 内容によっては可能ですが、発言者が一人の場合はハンドマイクやピンマイクの方が聞き取りやすくなることが多いです。
- マイクの種類が多いですが、結局どれが一番音が良いのですか?
- 音質はマイク単体の性能だけでなく、会議室の広さや用途によって左右されるため、一概に優劣は決められません。
まずはご相談ください。 - 広い会議室でも、マイクスピーカーを増やせば対応できますか?
- ある程度の改善は見込めますが、運用面も考慮したシステム設計が必要です。
また、部屋の広さや利用人数によっては集音に限界があるため、設備用マイクへの切り替えが必要になります。 - 1つの会議室で会議の時はシーリングマイク、研修の時はハンドマイクと用途によって使い分けはできますか?
- シーリングマイクとハンドマイクの使い分けは可能です。音声機器の切り替えなどを簡単に行えるスイッチと音響システムのパッケージもありますのでご相談ください。
まとめ|Web会議システム比較の前に、マイク設計を見直そう
Web会議の聞き取りやすさは、Web会議システムの違いだけで決まるものではなく、会議室の規模や人数、利用用途に合ったマイク環境も大きく影響します。
同じWeb会議を使用していても、マイクの種類や設置方法によって、音声の聞き取りやすさが変わることがあります。マイクスピーカーによる簡易的な拡張で改善できる場合もあれば、設備用マイクを含めた構成を検討した方が有効なケースもあります。Web会議環境を見直す際は、自社の会議室環境に適したマイク設計を見直すことが、快適なWeb会議への近道です。
- Web会議で「声が遠い」「聞き取りづらい」と言われる原因は何ですか?
- 会議室の広さや人数に対してマイクの性能や集音範囲が不足していたり、用途に合っていないマイクを使用していたり、会議室の壁などが反響しやすい素材であるなど、さまざまな要因でWeb会議の音が悪くなることがあります。Web会議システム自体に問題があるケースは少なく、利用している設備に問題があることが多くみられます。会議室に適したマイク構成へ見直すことで、音声品質を大きく改善できます。
- 自社の会議室に最適なマイク構成は、どのように判断すればよいですか?
- 会議室の規模や参加人数、利用用途を整理したうえで、それに適したマイクを選定することが重要です。広い会議室ではマイクスピーカーだけではスペック不足になる場合が多く、規模に見合った機器構成が求められます。何を導入すべきかわからない場合は専門会社に相談するのが確実ですが、予算が限られている場合やマイクスピーカーのみを検討している場合は、機器を借りて実際に会議で検証する方法も有効です。
- 第1回 オンライン会議のWeb会議とテレビ会議の違いとは?
- 第2回 SI型(自社導入)とASP型(サービスを利用)の比較
- 第3回 資料共有機能について
- トピックス① Web会議おすすめマイク|会議室の規模・用途別にマイクを比較解説








