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テレビ会議用語集
H.264 SVC[読み方:えいち・にーろくよん・えすう゛ぃしー]

H.264 SVC [読み方:えいち・にーろくよん・えすう゛ぃしー]
H.264/SVC

H.264 SVCは、2007年11月に成立した映像符号化標準で、先行するH.264 AVCのAnnex Gとして発行された。SVCはScalable Video Codingの略で、日本語では「スケーラブル映像符号化」と表される。
H.264 SVC以前の映像符号化技術は、単一の符号化ストリームを生成し、すべての映像データを受信側が受け取って再生する単層符号化となっていた。これに対しH.264 SVCでは、符号器が複数のストリームを生成する階層符号化を行い、受信側では受信するストリーム数(従ってビットレート)に応じ異なる品質の映像を再現できる。
典型的な応用例は、送信機からのストリームを受ける受信機が、接続されているネットワークの帯域幅や受信機の処理性能に応じた品質を実現する映像配信サービスである(例えば光ネットワークに接続されているPCでは大画面で、無線ネットワークの携帯電話では小画面で同じ内容のサービスを受ける、あるいは前者では毎秒像数を多く、後者では毎秒像数を少なく再現する)。
もう一つの典型的な応用例として、テレビ会議映像受信の耐性を強化することができる。単層符号化のH.264 AVCでは一部のデータがネットワーク上で欠落するだけで、映像の不具合が生じるのに対し、階層符号化のH.264 SVCでは、映像データを「高信頼性チャネル」用と「低信頼性チャネル」用の二つに分けて送る。チャネルの情報に優先順位をつけることで、テレビ会議を行うのに必要最低限のデータを「高信頼性チャネル」で送り、より高い品質の再生を行うためのデータを「低信頼性チャネル」で送信する。再生側機器は、ネットワークの状態や受信機器の能力から総合的に判断して、「高信頼性チャネル」+「低信頼性チャネル」のデータを組み合わせ、映像を再生する。これにより、一時的なネットワークの不具合や、再生機器の能力不足が生じた場合でも、映像の不具合の表出を最小限に抑えることができる。