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HDR-TV放送

高ダイナミックレンジ(HDR)技術を適用したテレビジョン放送のこと。
光源像、乱反射物体表面、鏡面反射面など、これまでより遙かに高い輝度、明るい領域の細部とともに、暗い領域の細部も再現することで、よりリアルなイメージを作ることができ、視聴体験に飛躍的向上をもたらす。また、コントラストの拡張と広色域により、これまでより遙かに大きな色空間容量すなわち豊富な色彩表現を実現する。

映像パラメタは、勧告ITU-R BT.2100-0(2016年6月制定)で規定される。解像度は8K、4K(UHDTV)のほか2K(HDTV)が対象で、勧告ITU-R BT.2020-2(2015年10月改訂)で規定されるUHDTVと同じ広色域が用いられる。基準となる視聴環境として、視距離が2Kでは画面高の3.2倍、4Kでは1.6~3.2倍、8Kでは0.8~3.2倍、ディスプレイ最高輝度は1000 nit以上、ディスプレイ最低輝度0.005 nit以下が挙げられている。映像信号のビット精度は10ビットがデフォルトで、12ビット精度も規定され放送チェーンの全ての当事者が合意すれば使える位置づけである。

HDR-TV放送方式には、二つの異なる光電変換-電光変換系が定義されている。
一つはHLG(Hybrid Log-Gamma)方式で、既存SDR-TV方式との互換性に着目して、撮像側の光電変換特性を規定し、映像信号コード値は黒と白の間の相対的な輝度を表現する。SDR-TVと互換性のある変換特性を規定し、それを拡張した変換式を用いている。HLG方式は、日本と英国の協力で提案された。

もう一つはPQ (Perceptual Quantization)方式で、表示側の電光変換特性を規定し、映像信号コード値は対応する絶対輝度値(0~10000 nit)を表す。映像信号レベルの量子化によって隣り合うコードの表す局所的な輝度差が生じるが、それが知覚できる値はレベル(ディスプレイで表現される輝度の絶対値)に依存するので、それを反映した電光変換特性を定めたことから、Perceptual Quantization(知覚量子化)と名付けられている。PQ方式は米国が提案した方式である。

テレビジョン番組の作成にあたっては、カメラからの出力映像信号をマスター・モニター(基準となるディスプレイ、マスモニとも呼ばれる)に表示し、それを見ながら制作意図に応じ、トーンやカラーが微調整される。この操作は、システムモデル的には、HLG方式ではディスプレイの電光変換後に、PQ方式ではカメラの光電変換前に置かれる光光変換である。

HLG方式とPQ方式は一つのシステムに混在することは許されない。ただし、両者は非直線光電・電光変換特性が違うだけなので、最終的なディスプレイ表示光を介して相互変換することができる。

mark2.関連用語

・ BT.2100

・ HDR

・ SDR-TV放送

・ HLG

・ PQ

mark-01テレビ会議用語集 索引

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